日本証券業協会が実施した「個人投資家の証券投資に関する意識調査」によると、2024年1月に新しい仕組みに切り替わる一般の少額投資非課税制度(NISA)について、現行の口座開設者のうち17.6%が「継続しない予定」と回答したことがわかった。
新NISA制度は、現行の一般NISAを2階建てに変更する。1階部分の投資対象商品は金融庁が指定した株式投資信託に限られ、積み立て投資のみ可能とする。2階部分は現行の一般NISAの対象商品からリスクの高い一部商品が除かれる。
継続しない理由として最も多かった回答は、「2階建てで制度が複雑なため」の41.4%だった。次いで「1階建て部分で積立投資を行いたくないため」(29.5%)が多かった。金融庁は制度変更を「より多くの国民に少額の積立・分散投資を促進するため」としているが、この方針にそぐわない投資スタイルの人や、仕組みの複雑化を懸念する人にとっては制度の刷新で利用価値が薄れるようだ。
一方、「つみたてNISAを利用するため」との回答も6.3%あった。NISAとつみたてNISAは両方を同時に使えず、どちらかを選択する必要がある。
調査対象は全国の20歳以上の「証券保有者」が対象で、標本数は5000。日本証券業協会が6月30日~7月5日にインターネットで実施した。
(QUICK資産運用研究所=望月瑞希)