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粗鋼生産の伸び率拡大、中国がけん引=トランプデータの海老原氏

10月のバルチック・ドライ指数BDIは前月比+15.6%の1631と3カ月ぶりに反発。

※バルチックドライ指数の推移
※バルチックドライ指数の推移

船型別インデックスを見ると、ケープサイズ(BCI)が2850(前月比+30.8%)、パナマックス(BPI)は1345(同▲2.8%)、ハンディマックス(BSI)は976(同+2.5%)、ハンディサイズ(BHSI)は596(同+4.7%)。ケープサイズは10月上旬に7月上旬以来の高値4208をつけた後に調整局面を迎え、同月末には1875と半値以下まで下落した。一方、パナマックス以下の中小型船は相対的に小幅な変動に留まった。

※バルチック指数

■中国粗鋼生産量は過去最高ペース

世界鉄鋼協会によると、9月の粗鋼生産量は世界全体で前年同月比+2.9%増の1億5,636万トンと2カ月連続で前年を上回り、増加幅は前月から拡大した。首位中国の生産が活発さを保持するとともに、中国以外の各国は落ち込み幅が総じて縮小傾向にある。ただ、64カ国中45カ国は未だ前年割れを喫しており、中国が引き続き全体を牽引している格好となっている。

9月の中国粗鋼生産量は同+10.9%増の9,256万トンと高い伸びを示した。前月比では▲2.4%減少したものの、1日当りに換算すると+0.8%増加し過去最高をマークしている。また、中国鋼鉄工業協会(CISA)によると、加盟企業の10月の粗鋼生産は20日までの平均が217.2万トン/日と9月平均から+0.7%加速している。

Mysteelによると、10月30日時点の中国鉄鉱石港頭在庫は1億2,763万トンと約4カ月に亘って増加基調を示しているが、前年同期と比べると+0.9%の微増に留まっており、足元における過去最高ペースの鉄鋼生産状況を踏まえれば、鉄鉱石在庫の積み上げ余地はまだ残されていると考えられる。一方、供給側の資源メジャーは年末に向けて引き合いを活発化させると見込まれ、ケープサイズの市況地合いは固そうだ。

■出荷も加速し船腹需要の拡大に

資源メジャー3社が発表した7~9月期の生産・販売レポートによると、同期間における鉄鉱石販売量はリオ・ティントが前期比▲5.3%減の8,210万トン、BHPが同▲4.8%減の7,336万トンと豪州勢が共に4~6月期から減少する一方、ブラジルのヴァーレは6,577万トンと同+20.4%増加した。ただ、前年同期と比べるとBHPの販売量は+7.4%増加したが、リオ・ティント、ヴァーレの2社はそれぞれ、同▲4.6%、同▲11.2%減少している。

大手三社はいずれも年間生産・販売見通しを据え置いている。年末に本決算を迎えるヴァーレは、4月に2020年の鉄鉱石生産目標を3.10億~3.30億トンに引き下げてから修正は行っていないが、生産目標を達成するためには10~12月に9,412万~1億1,412万トンの鉄鉱石を生産する必要があり、下限値の目標を達成するだけでも前年同期比+20%増の生産が必要となる。ヴァーレの1~9月鉄鉱石販売量は前年同期比▲10.1%減少しているため、今後は生産だけでなく出荷も加速し、船腹需要の拡大に繋がると期待される。

一方で、同じく年末本決算のリオ・ティントは3.24億~3.34億トンの販売目標を掲げている。つまり、リオ・ティントが目標達成するためには10~12月に8,230万~9,230万トンの鉄鉱石を販売する必要があるが、前年同期比▲5%減から+6%増のレンジに収まる格好。

■海上から陸上へ石炭荷動きシフトか

次に石炭荷動きについて、中国税関総署が発表した9月の同国貿易統計を見ると、同月の石炭輸入量は1,868万トンと前年同月比▲38.3%の大幅減となった。輸入先別では、インドネシアが同▲61.1%減の514万トン、豪州が同▲46.2%減の447万トンに落ち込んだが、モンゴルが518万トンと同+33.1%増加した。モンゴル炭の中国向け輸出は新型コロナウイルスの感染対策で3月に30万トンに落ち込んだが、6カ月連続で前月を上回り、少なくとも2016年以降で初めて中国の輸入先首位となった。

中国向け石炭輸出でモンゴルと競合する豪州炭は、当局が電力会社や鉄鋼ミルに輸入を規制するとの情報も伝えられる。一方、モンゴルは鉄道路線の拡充で今後も増勢が続く公算が高く、海上から陸上へ石炭荷動きがシフトしていることは中小型船にとっての弱材料となっている。中国-モンゴル間では現在、世界最大規模の埋蔵量を持つ未開発炭鉱として知られるモンゴルのタバントルゴイ炭鉱から中国国内の既存鉄道網へ接続する「中蒙鉄道」を建設中で、来年中にも本格稼働の開始が予定されている。

■主要穀物に激しい騰勢

最後に穀物について、10月のシカゴ市場では主要穀物価格が激しい騰勢を見せた。米国の大豆・トウモロコシの主要生産地が新穀収穫前に天候不順となったことで作柄が悪化するとの見通しが広がったことに加えて、中国による米国産穀物の大量購入が持続していることが背景にある。

※穀物価格の推移
※穀物価格の推移(2019年末を100として指数化)

足元における中国の大豆・トウモロコシ・小麦輸入は昨年を大幅に上回る高水準となっている。中でも、第一段階合意を背景とした米国産穀物が他国を圧倒する伸びを示しているが、トウモロコシや小麦については米国以外からの輸入も急増している。今年は南部地域を襲った洪水や北部地域を襲った台風の影響で、農作物の作柄や備蓄倉庫にも被害が及んでいるとの見方があるが、豚飼育頭数が回復傾向を辿っていることで飼料需要も回復している影響も大きい。

<金融用語>

バルチック・ドライ指数とは

バルチック・ドライ指数とは、正式名称は「The Baltic Dry Index=通称BDI」で、英国のバルチック海運取引所が算出・公表する指数。世界各国の海運会社やブローカーから、鉄鉱石・石炭・穀物などの乾貨物(ドライカーゴ)を運搬する外航不定期船の運賃を収集し、一日1回算出している。1985年1月4日を1000として算定、国際的な海上運賃の指標となっている。株式市場でも、海運会社、特に不定期船を主力とする会社との株価連動性が高いとされる。

 

著者名

トランプデータサービス 代表取締役 海老原良


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