【QUICK Market Eyes 大野 弘貴】23日の米株式市場でバイオ製薬のモデルナ(MRNA)が3日続伸し、3.5%高の101.03ドルで終えた。この日は英製薬アストラゼネカが開発するワクチンの臨床試験の結果、最大90%の有効性が確認されたと発表。ただ、有効性だけみるとモデルナの開発するワクチンでは最終治験で94.5%の有効性が確認されていたことと、アストラゼネカのワクチンは途上国への供給拡大期待と言った棲み分けも進むと見られた。競合他社のワクチン開発進展にもかかわらず、下げることはなかった。
一方で、やや慎重な見方も聞かれている。ウェルズファーゴは23日付リポートでモデルナを投資判断「イコールウエート(中立)」、目標株価92ドルで新たにカバレッジした。感染リスクを95%減少するワクチンの治験結果は説得力があり、強力な公衆衛生上の利益を支えるはずと指摘した一方、製品の効力と保護の耐久性に関しては、長期的な観点から重要な疑問が残っており、サプライチェーン、流通、および競争圧力からリスクが生じるとの見方が示された。