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週間REITニュースまとめ 指数組み入れの思惑が相場の支え、日銀は現状維持だったが…

【QUICK Money World 吉田 晃宗】来週(12月21日~)の上場REIT(不動産投資信託)市場を展望するために、QUICKが今週配信したREIT関連ニュースを振り返った。今週は星野RR(3287)、インベスコ(3298)、プレミア投資法人(8956)など、REITの決算発表が相次いだ。来週はREITの決算発表は予定されていない。

18日には日銀の金融政策決定会合の結果が発表された。日銀は「より効果的で持続可能な金融緩和を実施していくための点検」を実施し、来年3月の決定会合をめどに発表するという。市場の関心は、点検結果に上場投資信託(ETF)やREITの出口政策が含まれるのかどうか。夕方の会見で日銀の黒田総裁は「出口の議論は全く時期尚早」と語っていた。

今週の主要REIT指標の騰落率は以下となる。REIT相場全体は「住宅」を除き、堅調に推移した。18日引け後の指数組み入れに伴う先回りの買いが、相場を支えたとの見方が出ていた。

銘柄名 騰落率(%)
東証REIT指数 +0.32
東証REITオフィス +0.14
東証REIT住宅 -0.88
東証REIT商業 +0.79
東証REIT物流フォーカス +o.82

■REITのパブリック・ストレージが続伸―エリオットの株式取得が伝わる(12/15 )

14日の米株式市場で個人向け倉庫に投資する不動産投資信託(REIT)のパブリック・ストレージが続伸し、1.67%高の223.74ドルで終えた。一時は4.4%高の229.74ドルまで上昇する場面も見られた。アクティビストのエリオット・マネジメントがパブリック・ストレージの株式を大量に取得し、6人の取締役を指名したと報じられたことをきっかけに、買いが集まる展開となった。エリオットはパブリック・ストレージの売上を伸ばすために、店舗や人員への積極投資を求めた。過去5年間、パブリック・ストレージの株価は7%下落し、同業他社のエクストラ・スペース・ショーテージの同29%高、キューブ・スマートの同12%高を大きく下回っていた。

14日夕、パブリック・ストレージは「取締役会と経営陣は、会社と株主の最善の利益に貢献することを約束し、持続可能な価値創造を推進するために断固とした行動を続ける」との声明を発表した。(QUICK Market Eyes 大野弘貴)

■「REITが堅調、指数組入れのプレポジか。前回は引けにかけて急落も」(12/16)

「東証REIT指数(155)が0.4%高と堅調です。10日終値から15日終値までは1.1%高。同期間、日経平均株価が0.3%安、東証株価指数(TOPIX)が0.3%高、東証マザーズ指数が1.2%高。さらに今日の10時半前時点でマザーズ指数が0.7%近い下げとなっているので、現状はREIT指数のパフォーマンスが最も堅調です。

18日の引け後、REITの個別銘柄に対してFTSE指数への2回目の組入れが発生します(関連記事)。プレポジションも相応に入っていそうです。ただ、思い起こされるのが1回目の組入れにあたる9月18日の動き。この時は14時30分前まで前日比1%高で推移していたのにその後崩れ、結局2.63%安で引けました。今回も同じ轍を踏むことになるのか・・・」(国内運用機関)(QUICK Market Eyes 大野弘貴)

■星野RR(3287)―底堅い 「星野リゾート以外の運営物件の回復がカギ」=大手証券(12/16)

ホテル系REIT(不動産投資信託)の星野リゾート・リート投資法人(3287)が底堅い動き。15日に発表した2021年4月期の予想分配金は従来予想比50円増の6390円に引き上げたものの、新型コロナウイルス感染症の影響によるホテル利用の低迷などで前期比では大幅減配となっており、買い材料視する動きは限られた。今回発表になった21年10月期の予想分配金は5987円を見込む。

SMBC日興証券は同日付リポートで、星野リゾートの運営物件は20年8月以降は好調に推移しているため、カギはその他物件の収益回復になるとの見方を示しているもよう。

なお、REITを巡ってはFTSE指数への組み入れに伴う先回り買いの動きも、需給面での支えとなっているようだ。(QUICK Market Eyes 弓ちあき)

■インベスコ(3298)―堅調 投資口取得・消却を発表、物件稼働率は低下の予想(12/16)

オフィス系REIT(不動産投資信託)のインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人(3298)が堅調。15日に資産譲渡で得た代金の一部を充当して投資口を取得すると発表し、需給改善や1投資口当たりの価値の向上につながるとの見方から買いが先行している。

取得上限は発行済み投資口の1.57%に相当する14万口、金額で14億円。取得期間は16日から2021年2月26日。

同日発表した2021年4月の予想分配金は399円、今回発表した21年10月期は362円を見込む。空室率上昇を見込むほか、一部保有物件で賃料収入減を見込むもよう。21年4月期の稼働率予想は97.9%、21年10月期は96.3%。20年10月期は99.3%だった。

なお、REITを巡ってはFTSE指数への組み入れに伴う先回り買いの動きも、需給面での支えとなっているようだ。(QUICK Market Eyes 弓ちあき)

■プレミア投(8956)― 21年4月期分配金予想を上方修正、稼働率低下も物件売却益で(12/17)

オフィスと住宅を投資先とする複合型REIT(不動産投資信託)のプレミア投資法人(8956)は16日、2021年4月期の分配金予想を1株2810円から3890円に引き上げた。同日発表したアーバンネット麹町ビルの売却に伴う利益が生じるため。

同日発表した21年10月期の分配金予想は2710円。物件の稼働率は21年4月期が93.1%を想定する。オフィスの稼働率がテナント退去の影響で低下することが響く。21年10月期の想定稼働率は96.2%に改善する見通し。20年10月期は96.8%だった。オフィスは98.2%、レジデンスが新型コロナウイルス感染症の影響もあり、94.5%だった。(QUICK Market Eyes 弓ちあき)

■日銀会合は現状維持、日経先物は2万6700円近辺で反応なし(12/18)

日銀は17~18日に開いた金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めた。2021年3月末が期限となっていた新型コロナウイルス対応で導入した企業の資金繰り支援策を6カ月延長し、事前報道通りの結果となった。

上場投資信託(ETF)やJ-REITの買入方針は現状維持となり、東証昼休み時間中の日経先物は70円安の2万6700円近辺で推移し、目立った反応はみられない。(QUICK Market Eyes 片平正二)

■「日銀が持つETFを個人に25%オフで売るとか? GoTo ETFって感じで」(12/18)

「点検って車の車検みたいなもの? どうせ点検するなら、日銀が持つETFを個人投資家に25%オフで売ったりしないかな? GoTo ETFって感じで。下がった値段から常に25%オフ、毎日ナンピンしながら保有のETFを売っていく・・・無限くら寿司ならぬ、無限ETFループ。割引率によっては、大量の資金を投じつつ先物でヘッジするのも良いかも? ETF半額かもーん!」(市場筋)

日銀は17~18日に開いた金融政策決定会合で、「新型コロナ感染症の影響により、経済・物価への下押し圧力が長期間継続すると予想される状況を踏まえ、経済を支え、2%の『物価安定の目標』を実現する観点から、より効果的で持続可能な金融緩和を実施していくための点検を行うこととした」と発表した。来年3月の決定会合をめどに発表するといい、市場では上場投資信託(ETF)や上場不動産投資信託(J-REIT)の出口政策も含まれるのか関心が高まっていた。(QUICK Market Eyes 片平正二)

■REIT決算&開示情報

12/14 <決算>いちごオフ(8975) 分配金 (2,230円 2020/10実績)、2021/10予想(2,063円)

12/14 <決算>ケネディオフィ(8972) 分配金 (1万5,384円 2020/10実績)、2021/04予想(1万5,180円)

12/14 <決算>Rみらい(3476) 分配金 (1,429円 2020/10実績)、2021/10予想(1,160円)

12/15 <決算>星野RR(3287) 分配金 (1万2,860円 2020/10実績)、2021/10予想(6,390円)

12/15 <決算>積水ハウスR(3309) 分配金 (1,685円 2020/10実績)、2021/04予想(1,641円)

12/15 <決算>インベスコ (3298) 分配金 (410円 2020/10実績)、2021/10予想(399円)

12/15 <決算>スターツPR (8979) 分配金 (5,488円 2020/10実績)、2021/10予想(4,530円)

12/16 <決算>プレミア投 (8956) 分配金 (2,923円 2020/10実績)、2021/10予想(3,890円)

12/17 <決算>トーセイ・リート(3451) 分配金 (3,697円 2020/10実績)、2021/10予想(3,530円)

12/18 <決算>ハウスリート (8984) 増額修正 分配金(5,750円←5,550円 2021/02)

著者名

QUICK Money World 吉田 晃宗


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