【QUICK Market Eyes 大野 弘貴】29日の米株式市場でバイオ医薬品のアークトゥルス・セラピューティクス(@ARCT/U)が大幅に4日続落し、前日比54.16%安の42.36ドルで終えた。同社が開発する新型コロナウイルスのワクチン候補について、他社のワクチンと比較して効果が薄かったことを嫌気した売りに押された。
アークトゥルスは28日、開発する新型コロナウイルスのワクチン候補について、初期段階の臨床試験の結果を公表した。レイモンド・ジェームズは29日付リポートでアークトゥルスの治験結果について、ワクチンの予防効果は62%程度であったと指摘。これはファイザーが開発するワクチンの有効率95%、モデルナの同94.1%を大幅に下回るものだった。この結果について、レイモンド・ジェームズの担当アナリストは「迫力がない」と表現し、「アークトゥルスの開発するワクチンが単回投与で競合他社と同程度の有効性を達成できるという確信が薄れた」との見方を示した。
レイモンド・ジェームズはアークトゥルスの投資判断を「アウトパフォーム」から「マーケットパフォーム(中立)」に引き下げ、目標株価を73ドルから取り下げた。