2020年に新たに設定された国内公募投資信託(ETFを除く)を当初設定額の大きい順にランキングしたところ、1位は7月20日に運用を始めたアセットマネジメントOneの「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>」の3830億円だった。2位は年末ぎりぎりの12月30日に設定したHSBC投信の「HSBCグローバル・ターゲット利回り債券ファンド2020-12(限定追加型)」が949億円で滑り込んだ。
■ESG関連投信のブームをけん引
「未来の世界(ESG)」は歴代でも2位の大型設定となった。販売会社はみずほ証券、みずほ銀行、みずほ信託銀行の3社。設定当初は国内公募の追加型株式投信(ETFを除く)で17番目の大きさだったが、設定後も好調な資金流入が続き、純資産総額(残高)は12月末時点で2番目の大きさ(8825億円)まで躍進した。
年後半にかけてのESG(環境・社会・企業統治)投資ブームの火付け役にもなり、8月24日に設定した「野村ブラックロック循環経済関連株投信<愛称:ザ・サーキュラー>」は為替ヘッジをしない「Bコース」が8位(当初設定額450億円)、為替ヘッジをする「Aコース」が10位(同330億円)となった。
■「ゼロ・コンタクト」、設定後も資金流入
2位の「HSBCグローバル・ターゲット利回り債券ファンド2020-12(限定追加型)」は、日本を含む世界各国の企業などが発行する米ドル建て債券を投資対象とする。販売会社はSMBC日興証券と三井住友銀行の2社だった。同シリーズの「2020-07(限定追加型)」も704億円を集め4位に入った。
3位は日興アセットマネジメントの「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド<愛称:ゼロ・コンタクト>」で、895億円を集めた。募集時はSMBC日興証券1社で販売したが、他の証券や銀行が徐々に加わり販売会社の裾野を広げている。7月31日の新規設定以降も資金流入が続き、12月末時点の残高は13番目の大きさ(4577億円)まで成長した。
(QUICK資産運用研究所=西本ゆき)