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騰落レシオとは何か 見方や使い方を解説、アメリカ株でも算出可能

(初回公開日2021年2月12日12:00)

【QUICK Money World 辰巳 華世】新型コロナウィルスに対するワクチン期待の高まりを受け2020年11月ごろから日経平均株価の上昇ペースが加速しています。連日高値を更新する中、どこが株価の天井なのか投資家の関心が高まりました。そんな株価の上昇局面では、相場の過熱感を判断するテクニカル指標である騰落レシオが注目されます。騰落レシオの見方や注意点などを解説します。 

騰落レシオとは

騰落レシオは、株価の上昇、下落のタイミングなど変化の兆候を見つけるためのテクニカル指標です。一定の水準に達したら、相場の「買われすぎ」、「売られすぎ」を示しているとされ、市場の過熱感を見ることができます。市場全体の過熱感を見るため、東証プライム全銘柄の騰落レシオが一般的に使われます。

 

騰落レシオの計算方法と目安

 

騰落レシオ(%)=値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数×100

 

騰落レシオは、値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割って計算します。単位は%で表します。25日間の値上がり銘柄数を25日間の値下がり銘柄数で割った25日騰落レシオが一般的です。25日騰落レシオは中期的な相場の過熱感を見る時に使います。

値上がりした銘柄数と値下がりした銘柄数が同じ数の場合、騰落レシオは100%となります。100%よりも大きければ、値上がりした銘柄数の方が多く、100%より小さければ、値下がりした銘柄数の方が多いということです。一般的には、騰落レシオが120%を超えると買われすぎ、70%を下回ると売られすぎと判断します。

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    騰落レシオを活用して特定期間の傾向を見よう!

    騰落レシオは、日数を変えることで、短期から長期まで様々な期間の相場の過熱感を探ることができます。中期の相場の過熱感を見るには25日騰落レシオが役立ちます。他には短期的な市場の過熱感をみるのに5日騰落レシオ、中長期的な50日騰落レシオなどがあります。

    ネット証券などのテクニカルチャート画面で騰落レシオを追加するとサブチャートとして騰落レシオのチャートが描画されます。その際、期間を自分で設定することができます。2つの期間設定ができる場合は、一つは5日騰落レシオなど短期、もう一つを25日騰落レシオで中期に設定するなど期間を変えて比べることができます。一定期間で騰落レシオを見ることで、転換点は近いのかなど判断しやすくなるので、騰落レシオを活用してみましょう。

    <特定期間の騰落レシオの計算方法>
     
     騰落レシオ(%)=A日間の値上がり銘柄数÷A日間の値下がり銘柄数×100
     
    *A=日数

    騰落レシオの信頼性

    騰落レシオは「買われすぎ」「売られすぎ」などから、相場の転換点を探る時に役立ちます。騰落レシオが120%を超えると株価の上昇局面、70%を下回った時は株価の下落局面と言われています。

    一般的に、120%を超えたら、「買われすぎ」と判断し、相場の転換点が近いとする見方があります。ただ、ここで注意も必要です。騰落レシオが120%を超えたからといって必ずしもそこが株価の天井とは限らず、騰落レシオ120%以上が続く場合もあります。

    過去の事例をみても、騰落レシオが120%を超える局面では、騰落レシオとチャートの動きが一致しないケースがしばしば見られます。これは短期的には買われすぎと見るものの、相場が中長期的に見ると上昇トレンドの入り口になるケースがあるからです。

     

    下の東証プライムと騰落レシオ25日チャートを見てみましょう。青線が25日騰落レシオ、緑線が東証プライム市場指数です。2022年7月頃に騰落レシオ25日は120%を超え、しばらく高水準で推移しています。同時期の東証プライムを見ると上昇し続けています。このように騰落レシオの上昇は買いが広がっている状態なので、更に買いが広がることも予測できるため注意が必要です。いつ下落に転じるかタイミングを見極めて売買する必要があります。

    25日騰落レシオだけでなく、50日や13週、26週など足が異なる騰落レシオも合わせて見てみるのも良いでしょう。騰落レシオ50日が100%を超えて推移してくると相場が上昇局面に入るケースが多いと言われています。

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      株価は様々な要因で動きます。騰落レシオだけで相場転換点が近いと判断するのではなく、その時の経済情勢や個別の材料、他のテクニカル指標なども併せて確認しましょう。それを踏まえて、転換点が近いのか、または、しばらく強気相場が続くのか判断する必要があります。

      一方、騰落レシオが70%を下回る場合、相場の下げ止まりと捉えていることが多いです。チャートを見ても騰落レシオが70%を下回ると相場が反転していることが分かります。また、騰落レシオと株価の底値は一致することが多いと言われていますが、それもチャートから確認できます。一般的に騰落レシオ70%が「売られすぎ」と言われる水準ですが、2020年3月の新型コロナショックのように相場が大きく急落した時は騰落レシオが40%まで下がる場面があったので、そういった場合は注意が必要です。

      これまで日本株の騰落レシオの話をしましたが、同じ様に海外市場でも騰落レシオを算出することができます。下のチャートはS&P500と米国25日騰落レシオになります。

       

      まとめ

      騰落レシオは、市場全体の過熱感を判断するのに役立つ便利なテクニカル指標です。騰落レシオを活用し株価が上昇・下落に向かうタイミングを読み取る際の一つの指標として使いましょう。

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      著者名

      QUICK Money World 辰巳 華世

      2003年にQUICKに入社後、15年間勤務。約5年にわたり日本経済新聞社、日経QUICKニュース社(NQN)にて記者職に就く。QUICK退社後、フリーランスライターとして2020年より「QUICK Money World」に寄稿。


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