【QUICK Market Eyes 片平正二】菅義偉首相が1月13日、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて大阪、兵庫、京都、愛知、岐阜、福岡、栃木の7府県に緊急事態宣言を発令した。期間は14日午前0時から2月7日までで、既に発令されていた1都3県も含め、対象が11都府県に広がった。経済への影響に関しエコノミストなどから試算が出始めている。
■経済損失は月あたり約1兆2000億円=みずほ証券
7府県に関する緊急事態宣言の前にみずほ証券は13日付のリポートで「経済損失の規模は月あたり約1兆2000億円となる。また、仮に全都道府県へと対象が拡大した場合、損失額は月あたり約2兆円まで膨張する見込みだ」と指摘した。経済損失の規模は「前回の緊急事態宣言と比較すれば限定的なものにとどまるという見方に変更はない」としつつも、「緊急事態宣言解除の要件として掲げられている『ステージ4からの脱却』は容易でない。すなわち、本措置では十分な感染抑止効果を挙げられず、結果として①発令期間の延長、②発令対象地域の拡大、③自粛要請の強化――が今後も選択される可能性が高い」と先行きを警戒していた。
■一時的なマイナス成長リスクも回復基調は変わらない=モルガン
同様にモルガン・スタンレーMUFG証券も13日付のリポートで「21年1~3月期(1Q)の国内総生産(GDP)は前期比で一時的なマイナス成長のリスクが高まるものの、日本経済の回復基調は変わらないと見る」と指摘した。現時点で前期比年率で一桁台のマイナスとなる程度のイメージとしつつ、「21年4~6月期(2Q)は逆に前期比で高い成長となる上振れリスクがある」とし、反動に期待感を示した。
その一方で、「内閣支持率は小幅続落だが、『青木率』の水準は依然高い」とも指摘。9~11日にNHKが実施した最新の世論調査で、内閣支持率が前月から2パーセントポイント下がって40%となったが、「与党第一党の支持率と内閣支持率を合計したいわゆる『青木率』はまだ過去の政権と比較して高い水準にある」とし、政権基盤が直ぐに揺らぐことはないとみていた。