【日経QUICKニュース(NQN) 田中俊行】ソニー(6758)は2月3日、2020年4~12月期の連結決算(米国会計基準)を発表する。2020年11月に発売した新型ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の出荷動向や画像センサーの販売戦略などが注目点だ。
■ソニー決算、ここがポイント
- PS5の出荷台数が上振れするか
- iPhone好調で画像センサーの業績は改善するか
- 新型コロナの感染再拡大はコンテンツ事業に影響か
20年7~9月期の営業利益は前年同期比14%増の3177億円とプラスになり、売上高営業利益率も15.0%と前の四半期から大幅に改善した。巣ごもり需要でゲーム事業が好調だったためだ。10~12月期は一転して、2四半期ぶりの営業減益になるとの予想が多い。アナリスト予想平均のQUICKコンセンサス(1月27日時点、12社)は、前年同期比33%減の2023億円。PS5の発売に伴う販促費の計上で収益性が落ちるためだ。
焦点は年末商戦期に発売したPS5の出荷計画だ。人気が高く、国内では品薄状況が続く。ソニーは今期中に750万台以上を出荷する計画だが、アナリストの間では会社計画を超えるとの期待があり、「どこまで上振れするかが注目点だ」(SBI証券の和泉美治シニアアナリスト)との声が聞かれる。世界的な半導体の供給不足が懸念されるなか、PS5の滑り出しや生産状況に関心が集まる。
米アップルの「iPhone」の売れ行きが好調で、ソニーの画像センサーの需要も会社想定を上回った可能性がある。米中貿易摩擦の影響でファーウェイ向けの販売が急減するが、販売戦略など来期(22年3月期)の業績回復に確信を持てる内容が示されればプラス材料となるだろう。
足元では新型コロナウイルスの感染再拡大による消費低迷が懸念される。映画事業で新作の公開遅れなど業績の下振れにつながるリスク要因が浮上しないかどうかは要確認だ。
■2021年3月期の会社計画と市場予想
会社計画 | 市場予想 | |
売上高 | 8兆5000億円 | 8兆5497億円 |
営業利益 | 7000億円 | 7520億円 |
純利益 | 8000億円 | 8369億円 |
(注)市場予想はQUICKコンセンサス、1月27日時点、20社。