債券市場関係者は2022年に米国発の市場の波乱を警戒しているようだ。QUICKが27日に発表した12月のQUICK月次調査<債券>で、22年の国内債券投資のリスク要因(日米欧の金融政策除く)を1位から3位まで聞いたところ、「米国の政治・経済・金融の混乱」を1位とする回答が最も多かった。順位に応じて付ける換算点でもトップだった。
米金融政策の正常化が市場を揺らす可能性に加え、秋に控える米中間選挙の影響を警戒する声もあった。「予想外のインフレ動向」が換算点で2位、「コロナ等感染症の拡大」は3位になった。
22年の債券相場を予想してもらったところ、国内の新発10年国債利回りは最高水準が平均で0.163%、最低水準が同0.011%だった。同様に米国の10年債利回りは最高が1.959%、最低が1.294%だった。最も金利が低くなるのは1月、上がるのが12月との予想が多く、1年を通じて金利は右肩上がりの上昇になると市場関係者は見ているようだ。
足元の新発10年国債利回り予想は2カ月連続で下方にシフトし、1カ月後(22年1月末)の予想平均値は0.062%だった。20年債や5年債の利回り予想が低下したが、2年債の利回り予想は上方にシフトした。イールドカーブが平たん化(フラットニング)に向かうとの予想が増えているようだ。米国10年債利回りの予想も前回調査から下振れし、1カ月後の予想は1.50%だった。
調査は12月21〜23日に実施。債券市場関係者121人が回答した。