【日経QUICKニュース(NQN) 中山桂一】東証マザーズ指数の下げが止まらない。米金融政策の転換が間近に迫るなか、グロース(成長)株の多いマザーズ銘柄には逆風が吹く。下げトレンドが強くなった2021年11月半ばから3割近く下げたものの、売りの最終局面ともいえる「セリング・クライマックス」のシグナルはいまだに点灯していない。
■追い証限定
14日のマザーズ指数は続落し、前日比3.35%安の844.78で終え、2020年5月15日以来、1年8カ月ぶりの安値水準となった。この2カ月間に3割近く下げ、新型コロナウイルス禍によるリスク回避が強まった20年2~3月に匹敵する下げ幅となっている。
マザーズ市場では個人投資家が売買の多くを占める。これほど短期間に大きく下がれば、追い証(追加担保の差し入れ義務)が発生し、売りの最終局面を迎えるのではないかという見方がある。だが、実際は個人の追い証の発生は限定されているようだ。
松井証券によると、マザーズ市場の信用評価損益率(店内)は13日時点でマイナス30.03%となった。一般にマイナス20%を下回ると追い証が発生しやすいとされる。21年12月以降は同水準を下回る推移が続くが、追い証が発生しにくいからくりがあるという。
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■コールセンターはまだ余裕あり
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「多くの投資家がトヨタ(7203)や銀行株を信用取引の担保にしているためだ」と説明する。追い証は信用取引による含み損が大きく発生した場合や担保とする株が値下がりしたときに発生する。マザーズ銘柄とは対照的にトヨタや銀行の株価は上昇しており、マザーズ銘柄の信用買いによる含み損を相殺し、追い証の発生につながっていないとみられる。
売りの最終局面には証券会社のホームページ上にもある文言も掲載される。
「コールセンターへの電話が混み合っており、通じにくくなっています」。追い証が発生すれば、投資家による電話の問い合わせが多くなり、こうした表示が出てくることがある。
auカブコム証券の河合達憲チーフストラテジストは「数年前は追い証発生でコールセンターがパンクするような事態もあった」と振り返る。ところが、「足元のマザーズ指数の下げ局面でも追い証発生は減り、コールセンターも混み合ってない」という。
松井の窪田氏は「依然としてマザーズの信用買い残は減っていない」とも指摘する。下げてもなおまだ買いを入れる反転狙いの個人が一定数いるという。個人の懐具合は悪化しつつあるのは間違いないが、投資家が売り一色に転じる最終局面はまだ訪れていないようだ。
追証に至る前に建玉を返済して、追証を回避している人も多そうですね。