今回は、1月28日(金)・29日(土)の2日間に渡って開催されたSBIアートオークションについてレポートする。1日目は、会場を使用しないライブ配信型のオークション。2日目は、コロナウイルスまん延防止等重点措置の実施を受け、一部の入場を予約制にし、代官山の会場での開催された。落札総額は、10億8921万6750円(落札手数料含む・以下同)。落札率99.8%と、驚異的な記録を残した。
落札率100%を記録
1日目は、マルチプル作品を中心に、245点の出品があった。版画作品だけでなく、KAWSや空山基などによるBE@RBRICKも多く出品され、コレクターの注目を集めた。この日の落札予想価格平均は17~28万円程度。手ごろな価格帯だったこともあり、終始活発な競りが行われ、落札率は100%を記録した。単日の落札総額は、1億1000万9000円となっている。最高額を記録したのは、セール終盤に出品された村上隆のLOT.237ドラえもんシリーズ(オフセットプリント、ed.300)の11点セット。落札予想価格60~90万円のところ、276万円で落札された。村上作品は、この日だけでも全44点の出品があり、落札総額は2885万3500円となっている。
2日目は、オリジナル作品を中心に、落札予想価格平均120~195万円程度の作品が247点出品された。単日の札落総額は9億7920万7750円、落札率は99.5%だった。最高額を記録したのは、草間彌生のLOT.343《蝶[TWWEN]》(38.0×45.5㎝、アクリル・キャンバス)。落札予想価格4000~7000万円のところ、1億5525万円で落札された。2日間での最高落札額作品となっている。以前のセールでも、草間作品は最高落札を記録しており、不動の人気を誇っている。次いで、ロッカクアヤコ、アンディ・ウォーホル、バンクシー、村上隆らが続き、高額落札常連アーティストが名を連ねる結果となった。
3年連続の価格高騰
今回は、花井祐介(はない・ゆうすけ、1978‐)をピックアップし、レポートする。花井は、1950~1960年代のカウンターカルチャーの影響を受けた作風で知られ、日本の美的感覚とアメリカのレトロなイラストを合わせた独自のスタイルを形成している。海外での作品発表や、グローバルブランドなどへのアートワーク提供など、国内外問わず活動の幅を広げている。
今回のセールでは、2日目に、オリジナル3点、マルチプル3点、合計6点の作品が出品された。セール序盤で出品された作品が2点。LOT.274《Untitled》(91.0×91.0㎝、アクリル・キャンバス)は、落札予想価格400~700万円のところ、1380万円で落札された。先の高額落札常連の顔ぶれに交じり、高額落札8位にランクインしている。続く、LOT.275《Untitled》(91.0×91.0㎝、アクリル・キャンバス)は、100~150万円のところ、414万円での落札となった。いずれも単調な色合いを背景に、風刺画に出てきそうな独特な顔つきの男性を描いた花井らしい作品である。
セール終盤LOT482~485まで続けて出品された4点も、落札予想価格を大きく上回る価格で落札され活気のあるセールとなった。中でも、LOT.484 《Untitled》(40.2×27.8㎝、シルクスクリーン、Ed.50)は、落札予想価格20~30万のところ、115万円で落札されており、落札予想価格上限の3倍を超える価格での落札となっている。
花井の代表的なモチーフである男性をモチーフとしたオリジナル作品(アクリル・キャンバス、15~30号)の出品データを抽出したACF指標より、その動向を読み解く。2018年の出品では、落札予想価格平均が30~50万円のところ、落札予想価格上限を超える97万円ほどで落札されている。作品が8号と小さい為、本グラフには反映していないが、2019年に出品があった2点の作品は100万円を超える落札となった。2020年には、落札予想価格上下平均、落札価格平均ともに2~3倍程度上昇している。2021年は更に上昇を見せ、落札予想価格平均180~280万のところ、予想を大きく上回る678万円ほどで落札されている。今回の落札結果からも、高騰傾向にあることがうかがえる。今後、更に上昇をみせるのか、動向が注目される。
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※次回のSBIアートオークション開催予定は3月12日
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