QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2022/04/27)
・4Q3カ月は原材料価格高騰等で2四半期連続の減益
22/3期の連結営業利益は、前期比7%増の1715億円となり、過去最高を更新した。ただ、直近の4Q3カ月の営業利益は、前年同期比17%減の369億円と、2四半期連続で減益となった。精密小型モータと車載で原材料価格高騰などの影響を受けたことが主な背景。足元の業績や株価の低迷を受けて同社は、創業者の永守会長がCEO(最高経営責任者)に復帰し、同社本来のスピード感のある経営に戻すと発表した。企業価値研究所では、永守会長が再び陣頭指揮する体制に戻したことを前向きに評価、採算改善期待は高まったと考えている。
・トラクションモータシステムは24/3期の黒字化を想定
23/3期の連結営業利益見通しについて当研究所では、前期比34%増の2300億円を予想、前期に続き過去最高を更新する見通し。中国でのロックダウン長期化に注意を要するが、為替レートの前提を1ドル=125円と会社想定より円安水準に設定、会社計画を上回る予想とした。受注が拡大するBEV(電気自動車)用トラクションモータシステムは、24/3期の黒字化を想定。家電・商業・産業用の物流分野などへの拡販、積極的なM&Aを手がける機器装置の成長などから、営業利益の拡大を予想する。
・リスクファクター ~創業者に依存する経営体制
・アナリストの投資判断 ~採算改善期待高まる。株価の見直し余地は大きいとみる
直近の株価に基づく23/3期の予想PERは28倍。同社の過去60カ月(一過性費用を計上した20/3期を除く)の平均PER40倍との比較では割安感がある。永守会長のCEO復帰による採算改善期待、BEV用トラクションモータシステムの受注拡大を軸とした高成長予想から、株価の見直し余地は大きいとの見方を変えない。
(提供:QUICK企業価値研究所)
本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。
レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。
サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。
※ 個人投資家の方は掲載記事(レポート)の詳細を「QUICKリサーチネット」からもご覧頂けます。
サービスの詳細・ご利用方法はこちらをご覧ください。
※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。