関東甲信地方が梅雨入りしました。筆者は、かつて同級生2人とともに、某高校生クイズ選手権に勝ち抜き、兵庫県代表として全国大会に出場したことがあります。『梅雨入りを「入梅」と言い、梅雨明けを「出梅」と言う』というのが、地方大会決勝での問題のひとつでした。筆者は見事に不正解しました。毎年この時期になると、あの日のことを思い出します。
ある取材にて
先日、ある取材で、「相場が下落しても解約せずに積み立て(or資産運用)を続けたほうがよいと考える理由について、教えてください」と問われました。
取材当日に向けて準備をしたのですが、そもそも、「世界株式や米国株式などの単一資産でも、円ベースではほとんど下落していない」というのが、筆者の最初の回答でした。そして、「にもかかわらず、もしもいま下落を恐れている方がいらっしゃるとすれば、かなり偏ったものに投資をしてきた証拠ですから、ポートフォリオを見直したほうがよいでしょう」と付け加えました。
資産運用継続の6つの理由
「相場が下落しても解約せずに積み立て(or資産運用)を続けたほうがよいと考える理由」について、筆者は、次のように答えました。
- 株式市場は「長期において右肩上がり」である(→チャートのみから言えること)。
- 相場のタイミングを取るのはほぼ不可能である(→高値で入り、安値で出るのが典型。①このまま下がるか、いまが底でここから戻るか、②下がるならどのくらいまで下がるかは誰にもわからない)。
- 経済は長期において成長する(→人間は一度得た知識を失うことはなく、知識のユニバースは日々拡大している。その知識を金銭的な利益に換えようとするインセンティブがある。結果として、我々の生活は日々改善されていく=生産性は向上する)。
- 電車の窓から見えるたくさんのネオンは、今夜も星の数ほどの企業が存在していることを意味している。星の数ほどの企業の存在は、個別では倒産する企業もあるが、経済全体で見れば、企業は利益を生み出していることを示唆している。結果として、経済全体で見れば、企業は、給与を支払い、賃料を支払い(→リートの配当)、利息を支払った上で(→社債の元利払い)、利益を生む(→キャピタルゲインor配当として)。
- 駅からの帰り道で、コンビニがつぶれたと思ったら、しばらくするとクリーニング屋さんが開店するように、(どんな場所でも)「利益を生み出せる」と考える貪欲な投資家や起業家、企業が存在している。彼らを動かすインセンティブがある。
- ゼロ金利の時代に労働者であり、なおかつ貯蓄者であることは、「自分一人の力だけに頼って生きていこう」とすることに等しい。対して、株式投資は、自分の知恵だけでなく、世の中にいる、自分よりもずっと賢い人の知恵を利用しようとすること。自分一人と、大勢の賢い人たちとのチームと、どちらが自分を成功に導くだろうか。
株式に投資をするということは、株価の短期的な上昇や永続的な強気相場を祈るといったものではなく、賢い人たちの知恵を信じるということです。スポーツでもそうですが、花開くまでには時間がかかりますし、苦しいときを必ず過ごす必要があります。
それでも下落が怖いなら・・・
それでも下落が怖いなら、まずは、①ポートフォリオを十分に分散したほうがよいでしょう。国債や社債、商品などに分散投資をすれば、下落はかなり小さくなることが期待されます。
次に、月並みですが、②資産運用のゴールを思い出すことが重要でしょう。引き出す時点が20年後なら、今後1-2年の金融市場はほとんど関係がないはずです。引き出す時点が1-2年後ならば、(そもそも)ポートフォリオを保守的にすることを検討しましょう。
また、③普段から、相場を見ないことも重要でしょう。プロでさえも、短期的にはどっちに行くかはわからず、判断を間違える可能性もあるため、時間も資産も無駄にしかねません。
将来の総資産金額は、「(現在の所得-現在の消費)+(将来の所得-将来の消費)」×「運用利回り」ですから、現在や将来の所得にプラスの影響を与えるため、目の前の仕事や自己研鑽、自分や家族との時間に集中することがよいでしょう。
2022年5月の振り返り
2022年5月は、以下のような出来事がありました。
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- 米連邦準備制度理事会(FRB)が約22年ぶりに0.5%の利上げを実施
- スリランカで外貨不足と物価高騰によるデモ
- 中国国内のロックダウンによって国内の主要経済指標が悪化
- バイデン米大統領が(ウクライナへの武器貸与を迅速にする)「武器貸与法」に署名
- 日本の政府長期債務残高が1,000兆円を超える
- ロシアがポーランドへの天然ガス供給を停止
- ステーブルコインの「テラ」が一時8割近く下落(→アルゴリズムの不具合)
- フィンランドが北大西洋条約機構(NATO)加盟申請方針を表明(→西側諸国は支持を表明、ロシア外務省は「国家安全保障への脅威を排除する」とし警告、その後スウェーデンと共に加盟を正式表明)
- インド政府が国内の食糧安全保障に鑑み小麦の輸出を停止
- 中国人民銀行が住宅ローン金利の下限引き下げを発表
- イーロン・マスク氏がツイッターの買収価格引き下げの可能性を示唆
- ネットフリックスが150人規模の人員削減との報道
- サル痘ウイルスが欧米各国で確認される
- イエレン米財務長官がロシア国債の元利払い受け取りについて「(予定通り25日で)失効になる可能性が高い」と述べる
- ウクライナのマリウポリからウクライナ兵が退避
- ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)が「今後1-2年後に景気後退に陥る確率は少なくとも30%」と発言
- カナダ政府が次世代通信規格5Gから中国の通信機器大手を排除と発表
- 中国共産党が(その配偶者や子供が)海外資産を保有している幹部を昇進させない方針を示したと報道(→幹部の海外資産の保有を禁止)
- バイデン大統領が約400億ドルのウクライナへの追加支援策に署名
- 円の実質実効レートが約51年ぶりの低水準
- ロシアのプーチン大統領が志願兵の年齢条件を撤廃する法案に署名
- 中国が中長期物の貸出金利を引き下げ
- 日本の4月の消費者物価指数が前年同月比で+2.1%上昇
- ロシアがフィンランドへの天然ガス供給を停止
- 米ダウ工業平均株価が8週連続での下落
- 豪州の総選挙で野党・労働党が勝利(→アルバニージー党首が首相に)
- 米国政府が対中関税の引き下げを協議
- ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が「7月の利上げ」と「9月のマイナス金利終了」をブログで予告
- 中国配車アプリ大手のディディが米国上場の廃止を決定
- 欧州委員会は財政ルールの凍結期間を1年延長
- バイデン大統領が日米首脳記者会見で中国が台湾に侵攻すれば軍事的に関与すると発言
- 北朝鮮がミサイルを相次いで発射
- 米国の4月の消費者物価指数(CPI)前年同月比上昇率+8.3%、同PCEインフレ率同+6.3%、
- ユーロ圏の消費者物価指数同+8.1%
- バイデン大統領がウクライナに新たなロケット砲システムを供与すると表明
- JPモルガン・チェースのダイモンCEOが米経済について「ハリケーンはすぐそこにある」と発言
- 欧州連合はロシア産石油の輸入禁止を含む追加制裁で合意
- テスラが世界での採用全面禁止と10%程度の人員削減との報道
- 米国の4月の雇用統計前月比+42.8万人
(一部6月を含む)
中銀の動きとしては、豪州、アイスランド、米国、ブラジル、チェコ、ポーランド、英国、チリ、マレーシア、メキシコ、ペルー、フィリピン、南アフリカ、エジプト、イスラエル、ニュージーランド、韓国、ハンガリー、カナダ(6月)、ウクライナ(同)が利上げを実施、ロシアは利下げなどが挙げられます。
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