QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2022/08/23)
・富裕層の需要開拓や構造改革が回復を後押し
連結営業利益の企業価値研究所予想は業績表の通り。今期1Q実績を受け前回予想から増額。来期のコロナ前水準(19/3期292億円)回復に続き、25/3期には統合後最高(14/3期346億円)に迫り、会社中計目標350億円も視野に入る。高感度上質消費の拡大・席巻と最高の顧客体験の提供という長期基本戦略に沿って富裕層の需要開拓が進捗。科学的視点に基づく要員適正化など構造改革も奏功する見込み。増額の主因は三越伊勢丹の粗利益率、販管費予想の見直し。ECを除く日本人向け売上高予想は変えていない。中計ROE目標(25/3期5.3%)達成に向け機動的な株主還元に期待。
・外商顧客の支出額に占めるシェア拡大目指す、デジタルも活用し多様なニーズに対応
三越伊勢丹の7月の日本人向け売上高(一部EC含む)は4カ月連続で18年度同月を超過。戻りの鈍い同業他社に差をつける。新宿、日本橋の外商部を統合した新組織が4月に本格稼働。外商セールスとバイヤーが一体となった多様なニーズへの対応(デジタル活用も)に加え、両者の強みを生かした商品供給体制構築、百貨店で扱ってこなかった領域への展開・送客、地方との連携などにより、外商顧客の支出額に占めるシェア拡大を目指す。
・リスクファクター ~コロナ影響の長期化など
・アナリストの投資判断 ~統合後の営業最高益に迫る回復を織り込めば株価に割安感
25/3期のPER(当研究所予想)は18倍(大手小売平均の22倍)。統合後の営業最高益に迫る回復を織り込めば、割安感が強い。売上高の好調持続、長期基本戦略、構造改革の進捗が確認できれば、株価は再び上昇基調に。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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