【日経QUICKニュース(NQN) 中山桂一】トヨタ自動車(7203)が掲げる2023年3月期(今期)の世界生産計画970万台の達成に黄信号がともっている。9月30日には10月の生産計画を5万台引き下げ、75万台程度になる見込みと発表した。これまでの生産実績を踏まえると、今期の計画達成には11月以降に平均して月90万台程度と、過去最高(86万6650台)を上回る生産が欠かせない。
トヨタは「7~8月の生産は海外を中心に伸びたが、依然として半導体を含めて部品の調達状況は流動的だ」(広報部)と説明する。市場では「日を追うごとに970万台の(生産)実現は厳しくなってきている」(みずほ証券の石山孝高アナリストら、9月30日付リポート)との見方も多くなってきた。円安・ドル高は業績の追い風となるが、不安定な生産動向を市場は警戒している。