QUICK企業価値研究所アナリスト 細貝広孝(2022/11/15)
・上期実績は低進捗も、通期の営業増益予想を維持
23/3期通期の連結業績に関して企業価値研究所では、上期実績の利益進捗は低いが、今期は下期に完成工事(完工)高・粗利益の計上が進捗するとみており、売上高1兆9000億円(前期比28%増)、営業利益715億円(同58%増)の前回予想(22年8月)を維持。
・営業増益基調を見込む中期的な予想も維持
続く24/3期の連結業績に関して当研究所では、売上高1兆8400億円(前期比3%減)、営業利益780億円(同9%増)、25/3期は売上高1兆8500億円(同1%増)、営業利益880億円(同13%増)の前回予想を維持。単体完工粗利益率は8%前後で緩やかな回復を見込む。
・上期は完工粗利益率低下も、完工増で営業増益
23/3期上期の連結業績は、売上高が前年同期比28%増の8259億円、営業利益が同7%増の112億円だった。完工粗利益率は低下したが、完工増で営業増益を確保した。当研究所の通期営業利益予想(715億円)に対する進捗率は16%程度と低水準にとどまった。
・リスクファクター ~コスト上昇、設備投資需要減退
・アナリストの投資判断 ~主力の国内建築工事の完工粗利益率改善までは上値重い
株価は新型コロナ影響で20年3月にかけて714円まで急落。その後は900円台半ばまで戻したが、業績懸念などを背景に再度下値を切り下げ、一時700円を割り込んだ。当研究所の25/3期予想EPSから算出したPERは8.2倍程度。建設業の予想PER9.6倍程度を下回っているが、主力である国内建築工事の単体完工粗利益率が5%程度の低水準で推移している状況では、株価も上値を切り上げるような展開とはなりにくい。国内建築工事の完工粗利益率改善、開発投資のさらなる回収が進むまでは上値の重い展開が継続すると考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。
レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。
サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。
※ 個人投資家の方は掲載記事(レポート)の詳細を「QUICKリサーチネット」からもご覧頂けます。
サービスの詳細・ご利用方法はこちらをご覧ください。
※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。