指数と連動する運用成果を目指すインデックス型(指数連動型)の投資信託は、運用コストの低下傾向が続いている。主なインデックスファンドシリーズを対象に過去3カ月(9~11月)の変化を調べたところ、実質的な信託報酬を引き下げたファンドが3本あった。
■つみたてNISA対象、3本が引き下げ
調査したのは、運用各社が展開する主要なインデックスファンドシリーズの11月末時点の実質的な信託報酬(税込み・年率、目論見書記載の上限値)。主な対象指数ごとに分け、同じ種類で比較しやすくしたのが図表1だ。指数ごとにコストが最安のファンドの背景を水色、最高をオレンジ色にしている。
図表1に掲載した各シリーズのうち、過去3カ月で実質的な信託報酬を引き下げたのは、農林中金全共連アセットマネジメントの「NZAM・ベータ S&P500」と楽天投信投資顧問の「楽天・全世界株式インデックス・ファンド<愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)>」、SBIアセットマネジメント「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド<愛称:SBI・V・全世界株式>」の3本。変更後の水準は3本とも指数ごとの最安よりは高い。3本はすべて積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)対象ファンドだった。
■NZAM・ベータ「費用軽減で利便性向上」
図表2では、3ファンドの実質的な信託報酬の変更日や低下幅、対象インデックスを一覧にした。9月末に引き下げた「NZAM・ベータ S&P500」は、その理由を「受益者の皆さまにご負担いただく費用の軽減を通じてファンドの利便性の向上に資するため」としている。
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド<愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)>」は、「楽天・バンガード・ファンド」シリーズ8本のうちの1本。同シリーズは2023年1月13日より「楽天インデックス・シリーズ」へと名称を改め、同時に各ファンドの愛称も変更する。
この「楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)」と、「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド<愛称:SBI・V・全世界株式>」は、ともに日本を含む世界の大型株から中小型株まで網羅する「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」を基準にするインデックス型。投資対象とする「バンガード・トータル・ワールドストックETF(VT)」の報酬率が引き下げられたことに合わせ、ファンドの実質的な信託報酬を見直した。
■「残高加重平均」で低下顕著
運用各社が展開するインデックスファンドシリーズの中でも、最近は特にコストの安い海外株ファンドの人気が高まっている。つみたてNISA対象を中心に、低コストのファンドで資産形成に取り組む投資家が増えていることが背景にある。
コストが安いファンドほど人気が高まっていることを示しているのが図表3だ。インデックス型の実質信託報酬の「単純平均」と「残高加重平均」を算出し、この二通りをチャートに表している。各年の11月末時点の推移を2000年から22年まで振り返って見ると、足元にかけて残高加重平均のほうが大きく低下していることがわかる。
◇農林中金全共連アセットマネジメントの「弊社投資信託にかかる約款変更のお知らせ」
◇「楽天・バンガード・ファンド」シリーズ名称およびファンド愛称変更のお知らせ