【日経QUICKニュース(NQN) 山田周吾】年末が近づいてきた2022年の国内株式市場。日経平均株価は1年を通じて2万4000円台から2万9000円台のレンジで推移しつつ、チャート上では上昇・下落幅が徐々に狭まり三角形のような形状になる「三角もちあい」を形成してきた。相場の転換点が近づいている前兆とされ、投資家からの関心は強い。市場では三角もちあいの上抜けを想定する見方が多い。
みずほ証券の中村克彦マーケットストラテジストは三角もちあいの上抜けを予想する1人だ。中村氏は「このところ東証プライム市場の売買代金は海外勢の買いで増加しており、株高の素地が整っている」と指摘。また長期トレンドを示す200日移動平均が上向いてきていることも上抜けを支持する一因に挙げる。
SMBC日興証券の吉野豊チーフテクニカルアナリストも上抜けを想定する。吉野氏は東証株価指数(TOPIX)や米ダウ工業株30種平均は11月下旬、8月高値を超える場面があったとし、「足元では値がさ株が軟調で日経平均の上値は重かった。円高などの逆風が落ち着けば、次第にTOPIXに追随して上昇する」と話す。ただ23年は景気後退リスクがあり、持続的な上昇基調になるかどうかは様子見が必要との見方も示した。