【NQNニューヨーク=古江敦子】21日の米株式市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇。▲は下落。
◎物流のフェデックス(FDX) △3.4%
20日夕発表の2022年9~11月期決算はコスト削減が奏功して1株利益が市場予想を上回った。予想を上回る売上高と一段のコスト削減策も好感され、買い直された。もっとも、「業績懸念はやや和らいだが、貨物需要は引き続き減少基調で目先の事業環境は厳しい」(キーバンク・キャピタル・マーケッツ)との指摘もあった。
◎スポーツ用品のアンダーアーマー(UAA) △5.2%
ナイキが20日発表した22年9~11月期決算で売上高と1株利益が市場予想を上回り、ナイキ株は12.2%上げた。スポーツ用品やアパレル企業の業績が想定ほど悪くないとの見方が広がり、関連銘柄に買いが波及。アンダーアーマーのほか、フットロッカー(@FL/U)やルルレモン・アスレティカ(@LULU/U)、スケッチャーズ(@SKX/U)が上昇した。
◎決済サービスのブロック(SQ) △1.9%
シティグループが「ブロックの複数のバリュエーション(投資尺度)は過去最低水準にあり、買いの好機」と指摘した。過去2四半期で進めた経費削減の成果が、23年後半~24年前半の利益率改善として表れるとみる。投資判断は「買い」を維持。目標株価は135ドルから90ドルに引き下げたが、20日終値より4割強高い水準を見込んだ。
◎免疫医療のアダプティブ・バイオテクノロジーズ(ADPT) △13.5%
パイパー・サンドラーが投資判断を「中立」から「買い」、目標株価を7.50ドルから14ドルに引き上げた。血液がん患者の悪性細胞の残存を調べる検査製品の売上高が5年で2桁台後半の伸びになるとみる。アダプティブは免疫システムを解読して疾患の診断や治療法を開発する技術に強みを持ち、マイクロソフトの出資でも知られる。
◎クルーズ船のカーニバル(CCL) △4.7%
21日発表した22年9~11月期決算で最終赤字幅が市場予想より小さく、採算悪化への警戒感が和らいだ。株価が足元で軟調に推移していたため、値ごろ感からの買いが入りやすかった面もある。インフレによるコスト増を受け、22年12月~23年2月期の利益見通しは市場予想を下回った。
◎サイバーセキュリティーのクラウドストライク・ホールディングス(CRWD) ▲2.3%
セキュリティーソフトのブラックベリーが20日夕に発表した22年9~11月期決算でサイバーセキュリティー部門の売上高が市場予想に届かず、景気減速による企業の投資縮小で短期的に同部門の収益力が鈍ると指摘した。セキュリティー銘柄に売りが波及し、パロアルト・ネットワークス(@PANW/U)も下落した。
◎ドラッグストアのライトエイド(RAD) ▲17.2%
21日発表の22年9~11月期決算は最終赤字幅が市場予想より小さく、売上高も市場予想ほど落ち込まなかった。ただ、23年2月期通期の調整後のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)見通しを下方修正し、売りが膨らんだ。同業のウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(@WBA/U)やCVSヘルス(CVS)にも売りが波及した。