【日経QUICKニュース(NQN)】世界経済に暗雲が漂う。オランダ経済政策分析局(CPB)が12月23日に公表した10月の世界貿易量は前月比1.6%減と4カ月ぶりに減少した。新型コロナウイルス禍のショックが広がった2020年4月(11.6%減)以来の大幅なマイナスだ。CPBは各国の輸出入統計から月次で財(モノ)の世界貿易量を集計し、米ドル換算した2010年の価格でみた実質の指数を公表している。指数は季節調整をかけている。
世界貿易量はコロナショックからの急回復後、21年以降も順調に伸びてなお高水準にある。指数は頻繁に過去にさかのぼって改定され、月次では振れも大きい。3カ月移動平均でならせば、増勢が続いているとみることもできる。とはいえ、米国はじめ世界的に景気が後退局面へ向かっているとの警戒感は金融・資本市場で高まるばかり。10月の世界貿易量の減少はそのシグナルかもしれず、気がかりだ。