【NQNニューヨーク=川内資子】23日の米株式市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎顧客情報管理のセールスフォース(CRM) △3.1%
ウォール・ストリート・ジャーナル紙が23日、「物言う株主(アクティビスト)のエリオット・マネジメントが株式を大量に取得した」と報じた。取得額は数十億ドル規模。エリオットの具体的な要求内容は不明だが、株主価値の向上につながるとの期待が高まった。
◎電気自動車のテスラ(TSLA) △7.7%
25日に発表する2022年10~12月期決算を期待した買いが続いた。昨年終盤にかけて中国の需要減退の懸念などで株価が大きく下げていた。足元では「値下げ競争は激化しているが、コストや技術面でテスラは業界をリードしていく」(UBS)との見方が広がっている。シティグループが投資判断を「買い」で調査を再開した同業のルーシッド・グループ(@LCID/U)は12.8%上げた。
◎半導体のクアルコム(QCOM) △6.6%
バークレイズが投資判断を「中立」から「買い」に上げた。21年後半から調整しているスマートフォン市場について「中国の経済活動の正常化に伴い、23年後半に追い風が吹く」と予想。クアルコムの強い高価格帯製品の価格競争が激化する兆しはないとも分析した。
◎ネット通販支援のショッピファイ(SHOP) △8.8%
ドイツ銀行が22日、投資判断を「中立」から「買い」に、目標株価を40ドルから前週末終値を2割強上回る50ドルに引き上げた。「23年は上級サービス『ショッピファイ・プラス』の伸びが加速し、成長率が市場全体を上回る」と予想した。供給網の正常化などで余裕が出たネット通販企業がシステムを刷新する動きが進むという。
◎半導体メモリーのウエスタン・デジタル(WDC) △8.7%
日本の同業キオクシアホールディングスとの合併について「協議が進展している」とブルームバーグ通信が20日夜に伝えた。一時は停滞していたとされる合併協議が進み、実現すれば競争力が高まるとの期待が高まった。
◎家具ネット通販のウェイフェア(W) △26.8%
JPモルガンが23日、投資判断を「売り」から「買い」に2段階引き上げた。20日に会社がコスト削減策の進展や足元の事業環境の改善を明らかにしたのを受け、再評価した。長期的な家具販売のデジタル化の恩恵を受けるほか、供給問題の緩和もシェア拡大につながると予想した。目標株価も35ドルから63ドルに大きく上げた。前週末終値を35%上回る。
◎金融のシンクロニー・ファイナンシャル(SYF) ▲2.4%
23日発表の22年10~12月期決算は純利益が前年同期比29%減となった。貸倒引当金を2.1倍に増やし、利益を圧迫した。会社は米政府による現金支給などを背景とした「新型コロナウイルス禍での顧客の余剰貯蓄がコロナ前に戻りつつある」と説明し、収益悪化への懸念を誘った。