【NQNニューヨーク=横内理恵、川上純平】
■サウスウエスト航空が大幅安、年末寒波で赤字幅が市場予想上回る
26日の米株式市場で空運のサウスウエスト航空(LUV)が大幅反落し、一時は前日比5.6%安の34.82ドルを付けた。26日に発表した2022年10~12月期決算が市場予想以上の赤字となり、売上高も予想に届かなかった。昨年12月下旬に米国を襲った大寒波が影響した。23年1~3月期も赤字が続く見通しで、業績懸念が強まった。
売上高は前年同期比22%増の61億7200万ドルと、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(62億2000万ドル)に届かなかった。寒波で1万6700以上の便が欠航し、10~12月期の売上高を4億ドルあまり押し下げた。
最終損益は2億2000万ドルの赤字で、前年同期(6800万ドルの黒字)から赤字に転落した。寒波に伴う損失が響いた。1株あたり損益は0.38ドルの赤字で、赤字幅は市場予想(0.07ドル)を大幅に上回った。
現時点の売り上げやコスト状況から「23年1~3月期も赤字になる」との見通しを示した。半面、予約状況の改善や増便などで、23年12月期通期は黒字を見込んだ。
サウスウエストはシステム不備などで寒波による運航への影響が同業他社に比べて大きくなったとみられている。
■テスラが一時12%高、決算受け需要減速懸念が後退
26日午前の米株式市場で電気自動車のテスラ(TSLA)が大幅上昇し、前日比11.8%高の161.42ドルを付けた。25日夕に発表した2022年10~12月期決算は売上高が市場予想に届かなかったが、決算説明会でイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が値下げを受けた足元の需要の強さに言及したことなどが買いを誘った。
10~12月期の売上高は四半期としては過去最高だったものの、前年同期比37%増と7~9月期(56%増)から伸びが減速した。市場予想も下回った。世界景気の減速や競争激化を受け、販売台数が伸び悩んだ。ただ、1月から大幅な値下げに踏み切っており、マスクCEOは説明会で「1月に入ってからの受注が過去最高ペースで、現時点では注文が生産のほぼ2倍となっている」と述べた。
決算を受けて26日までに複数のアナリストが目標株価を引き上げた。ウェドブッシュ証券は「短期的には販売量を増やすために採算を犠牲にするが、顧客の囲い込みを万全にして米欧中で激化する競争を回避する正しい戦略だ」とし、目標株価を175ドルから200ドルに引き上げた。シティグループやバンク・オブ・アメリカも目標株価を上方修正した。
ゴールドマン・サックスは目標株価は200ドルで据え置いたが、決算については「受注の強さが確認されたことが最も重要な点だった」と指摘した。足元の注文の強い勢いは続かないとみるが、ゴールドマンの販売見通しの達成は可能との見方を示した。トゥルイスト証券は「長期的には販売台数が30年に700万台に達するなど(規模が)顕著に拡大し、高度な自動運転技術(FSD)といった人工知能(AI)関連機能の拡充が利益率の大幅な改善に寄与する」との見方を示した。目標株価は245ドルで据え置いた。
■サービスナウが6%高、決算で1株利益が予想上回る 利益確定売りも
26日の米株式市場でクラウド業務管理サービスのサービスナウ(NOW)が6日続伸し、一時は前日比6.5%高の477.73ドルを付けた。25日に発表した2022年10~12月期決算は1株利益が市場予想を上回った。サービス需要の好調が示され、買いが広がった。
10~12月期の売上高は前年同期比20%増の19億4000万ドルと、QUICK・ファクトセットが集計した市場予想と同じだった。年間の契約額が100万ドル超の顧客が22%増加したのが増収をけん引した。特別項目を除く1株利益は2.28ドルと市場予想(2.02ドル)以上だった。
同時に、23年1~3月期は売上高のほとんどを占めるサブスクリプション(継続課金)収入が前年同期比22~23%増の19億9000万~20億ドルになるとの見通しを明らかにした。経営陣は「23年になっても持続的な需要を生み出している」と強気の見方を示した。
買い一巡後は伸び悩んでいる。株価は今年に入り、25日までに16%上昇していた。目先の材料が出尽くした後で利益確定売りも出ている。