【NQNニューヨーク=戸部実華】2日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎歯科矯正器具のアライン・テクノロジー(ALGN) △27.4%
1日夕に発表した2022年10~12月期決算で売上高や特別項目を除く1株利益が市場予想を上回った。「米州」と「欧州・中東・アフリカ」を中心に安定した需要がみられた。併せて新たに10億ドルの自社株買い枠を設定したと発表した。アナリストの目標株価引き上げも相次いだ。
◎暗号資産(仮想通貨)交換業者のコインベース・グローバル(COIN) △24.0%
コインベースが証券として登録する必要のあるデジタル資産を未登録で取引させ、ブローカー・ディーラーとしての登録もしていなかったとの原告の訴えを、ニューヨーク市マンハッタン連邦地裁が1日に退けたと伝わった。経営を巡る不透明感が後退し、買いが勢いづいた。
◎ID管理システムのオクタ(OKTA) △6.7%
営業経費の削減を目的としたリストラ計画を2日に明らかにした。約300人の従業員を削減する。これとは別に、ニーダムが2日付で投資判断を「中立」から「買い」に引き上げ、目標株価は前日終値を18%上回る90ドルに設定した。21年に買収した同業オースゼロの事業統合に苦戦していたが、問題は解消されてきたと分析。24年1月期通期の業績上振れ要因になるという。
◎ネット検索サイトのアルファベット(GOOGL) △7.3%
交流サイトのメタプラットフォームズが1日夕に発表した22年10~12月期決算は売上高が市場予想を上回った。市場予想ほど広告収入が減らず、広告収入の比重が大きいアルファベットや、ネット広告配信支援のトレードデスク(TTD)に連想買いが入った。
◎通信機器向け半導体のクォルボ(QRVO) ▲5.8%
1日夕に発表した22年10~12月期決算は市場予想を上回ったが、併せて示した23年1~3月期の売上高と1株利益見通しが市場予想を下回った。在庫調整による業績の下押しを見込む。その後は23年を通じて需要が回復するとの見通しを示した。
◎製薬のイーライ・リリー(LLY) ▲3.5%
2日に発表した22年10~12月期決算で売上高が市場予想に届かなかった。新型コロナウイルスの抗体薬の販売が大幅に減り、主力の糖尿病治療薬の販売が伸び悩んだ。23年12月期通期の特別項目を除く1株利益見通しは引き上げたが、売上高見通しは従来予想を据え置いた。