【日経QUICKニュース(NQN)】格付投資情報センター(R&I)は16日、楽天グループ(4755)と傘下の楽天カード、楽天証券の発行体格付けについて「シングルAマイナス」から「トリプルBプラス」に1段階引き下げたと発表した。格付け見通しは移動体通信サービスを中心としたモバイル事業で厳しい収支が続くとみて「ネガティブ」とした。
R&Iは楽天グループがモバイル事業では大幅なキャッシュ流出が続いており「収支改善に苦戦している」と評価した。ネットワークの品質改善のために重要な新たな周波数の割り当てを巡り「協議が順調に進んだとしても、2023年中の契約者の大幅増に貢献するかどうかは現時点では見通しにくい」とも分析した。モバイル事業の収支改善の遅れが財務バランスの悪化につながっていることで「格付け対比で十分でない財務状況が継続する」と判断し、2月15日に指定した「レーティング・モニター」を解除して格下げに踏み切った。