米国のシリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻に端を発した欧米発の金融システム不安は、米金融政策の見通しを揺るがすものではなかったようだ。QUICKが3日に発表した3月のQUICK月次調査<債券>で、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが終わるときの政策金利(フェデラルファンド金利)の水準を債券市場関係者に聞いたところ、平均は5.26%、中央値は5.25%だった。2月調査(平均5.28%、中央値5.25%)と同水準になった。
利上げが終了する時期についても、5月予想が最多で6月が次点、という前月調査と同じ構図になった。金融システム不安を受けて、一時は米連邦準備理事会(FRB)による利上げの即刻停止が取り沙汰されるなど米金融政策への見方も大きく揺らいだが、現時点では危機前と大きく変わらない結果に落ち着いている。
金融不安がもたらす金融市場への影響に対する関心は高い。最も注目している債券価格変動要因を聞いたところ、海外金利の注目度(回答に占める比率)が前月の6%から20%に上昇し、昨年11月調査以来の高水準となった。今後の展開については、「各地域においてある程度の影響が残存する」とみる回答が7割を占めた。
日銀の金融政策については、近いうちに何らかの変更を見込む市場参加者が大多数だ。日銀の金融政策変更について政策別に聞いたところ、「政策金利のフォワードガイダンス修正」は8割、「長期金利ターゲットの修正(撤廃を含む)」については7割の回答者が、7月までの政策修正を見込んでいる。
調査は3月28~30日にかけて実施し、債券市場関係者120人が回答した。
QUICK月次調査は、株式・債券・外国為替の各市場参加者を対象としたアンケート調査です。1994年の株式調査の開始以来、30年近くにわたって毎月調査を実施しています。ご関心のある方はこちらからお問い合わせください。>>QUICKコーポレートサイトへ