【NQNシンガポール=秋山文人】12日のインド株式相場は続伸して始まった。主要株価指数のSENSEXの始値は前日比22.48ポイント(0.03%)高の6万0180.20だった。指数は11日まで7日続伸し、同日は3月8日以来約1カ月ぶりに6万台を回復した。値動きの軽さに着目した買いが先行している。
もっとも米インフレ指標の発表を前に様子見姿勢が強く、上値は重い。IT(情報技術)サービス大手タタ・コンサルタンシー・サービシズが12日の取引終了後に2023年3月期決算を発表する。時価総額の大きい同社の業績を見極めたいとして投資家は消極姿勢を強めている。
国際通貨基金(IMF)は11日発表の世界経済見通しで、インドの23年の成長率を5.9%、24年を6.3%とした。それぞれ1月時点の予想から0.2ポイント、0.5ポイントの下方修正となる。22年の6.8%を下回るとの見通しは相場に重荷になっている。
5000億ルピー(約8000億円)の社債を発行すると発表したHDFC銀行は上げている。タタ製鉄や自動車バジャジ・オートも高い。半面、インダスインド銀行やコタック・マヒンドラ銀行は下落している。