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独BMWが7年ぶり高値圏 EV販売が好調(欧州株ウオッチ)

【NQNロンドン=菊池亜矢】自動車大手の独BMWの株価が堅調だ。2022年末比で2割上昇し、15年末以来およそ7年4カ月ぶりの高値圏に浮上した。世界的な供給制約の緩和や、欧州景気に対する過度な悲観が後退したことで、欧州自動車株は全般に持ち直している。そのなかで、BMWは23年の電気自動車(EV)販売が好調な滑り出しをみせ、EV戦略が軌道に乗っていることに評価が集まっている。

4月17日には104.48ユーロと、15年12月以来の高値を付けた。20日終値は前日比4%近く下落し100.02ユーロとなったが、それでも22年末比で20%高い。同業の独フォルクスワーゲン(VW、4%)や独メルセデスベンツ・グループ(11%)の上昇率を上回る。

※BMW株価とフォルクスワーゲン、メルセデスベンツ・グループの相対チャート※BMW株価とフォルクスワーゲン、メルセデスベンツ・グループの相対チャート。(2022年末を100として指数化)

BMWが今月公表した23年1~3月期の世界販売台数は前年同期比1.5%減の58万8138台だった。内訳をみると、EVが83.2%増の6万4647台となり、総販売台数の1割強を占めた。「BMW」ブランドのEV販売台数は2倍以上の5万5979台だった。ピーター・ノタ取締役は「23年通年のゆるやかな成長に向けて順調に進んでいる。成長を推進するのはEVとハイエンド・プレミアム・セグメントのモデルだ」とコメントした。

BMWは30年までに合計1000万台を超えるEV販売を目標とし、車種を拡充している。タイミング良く新型モデルを投入することがシェアの拡大には有利とされ、24年には少なくとも同社の新車の5台に1台、26年には3台に1台程度をEVにする見通しだ。大型高級セダンや「ロールス・ロイス」などハイエンド市場にも力を入れており、同セグメントの23年通年の成長は2桁台半ばを見込む。

新型コロナウイルス禍から中国市場の回復が見込まれることも追い風だ。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは「22年の世界のEV販売台数の約800万台のうち、約65%を中国が占め、圧倒的に大きい市場だ」と分析する。QUICK・ファクトセットによるとBMWの売上高に占める中国比率は約29%とVWの5%やメルセデスベンツの18%より高い。「BMW」と「MINI」の2ブランドの22年年間販売台数のうち3割強が中国だった。

もっとも、BMWは電動化を加速するものの、総販売台数に占めるEV比率の目標を30年までに50%以上とし、完全な移行を打ち出しているわけではない。「より柔軟で技術的にオープンなアプローチを採用している半面、幅広い技術を提供し続けるためには、研究開発や生産コストが高くなる」(ムーディーズ)ため、成長拡大に向けた資源配分バランスを取るのが難しくなる。EV市場で圧倒的なシェアを誇る米テスラは各国で値下げを続けており、販売競争の激化も逆風となりかねない。EV販売拡大の勢いを保ち続けられるかどうかが、BMW株の先行きを左右しそうだ。

著者名

日経QUICKニュース(NQN) 菊池 亜矢


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