【日経QUICKニュース(NQN)】商船三井(9104)は28日、2024年3月期(今期)の連結純利益が前期比74%減の2100億円になりそうだと発表した。世界的なインフレや地政学リスクから世界経済が減速し、荷動きが減ると想定した。市場予想平均であるQUICKコンセンサスの1558億円(3日時点、8社)は上回った。
売上高は8%減の1兆4900億円、営業利益は3%減の1050億円、経常利益は75%減の2000億円の見通し。事業別ではコンテナ船事業を含む製品輸送事業が経常利益ベースで82%減の1280億円と想定した。コンテナ船は大幅減益となる一方、エネルギーや自動車船は増益を見込む。今期の想定為替レートは1ドル=125円59銭とした。
今期の年間配当は1株当たり180円(中間100円、期末80円)とした。市場予想平均(QUICKコンセンサス、18日時点、8社)は165円だった。前期は560円だった。
あわせて発表した23年3月期(前期)の連結決算は売上高が27%増の1兆6119億円、純利益が12%増の7960億円だった。
■ONEの今期業績「黒字維持見込む」
同社の梅村尚最高財務責任者(CFO)は28日に開いた2023年3月期の決算会見で、海運大手3社が共同出資するコンテナ船事業会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」の24年3月期(今期)の業績について、「荷動きが増加傾向にあることなどから市況は一定程度回復し、黒字を維持すると見込む」と述べた。ONEは28日、今期の業績見通しは未定としていた。