【日経QUICKニュース(NQN)】東京証券取引所など全国4証券取引所が6日発表した2022年度の株式分布状況調査によると、23年3月時点で個人株主数は前年度比521万人(8.1%)増の6982万人で、9年連続で増加した。大手海運各社や任天堂(7974)は株式分割の実施で個人株主数を増やした。外国人の株式保有比率(金額ベース)は30.1%と、前年度から0.3ポイント低下したが、3年連続で3割を超えた。
株式分布調査では上場会社間の名寄せができないため、各上場会社の株主数を単純に合算した延べ人数での発表となる。例えば、1人で10銘柄保有している場合、同調査においては単純合算で個人株主は10人として計算する。
個人株主の増加要因をみると、新規株式公開(IPO)会社で54万人、株式分割を実施した会社で75万人だった。IPO、株式分割のいずれにも該当しないその他の会社で441万人増えた。上場廃止会社の影響による減少は49万人だった。
株式分割を実施した企業の個人株主数は、商船三井(9104)が前年度比22万1415人(3.3倍)増の31万6315人と大きく増加した。そのほか日本郵船(9101)、川崎汽船(9107)も株主数が前年度から倍以上となった。任天堂も同11万3711人増(5.3倍)の13万9899人と大幅に増えた。
金額ベースでは個人投資家は22年度に7690億円買い越した。買い越しは2年連続。業種別では33業種中30業種で個人の保有比率が上昇した。最も増加したのは海運業で、前年度比12.3ポイント上昇し36.3%となった。2位は鉄鋼業の同5.1ポイント上昇で25.7%だった。
海外投資家は1兆8090億円の売り越しとなった。売り越しは2年連続。海外勢の保有比率が低下したのは33業種中20業種で、証券、商品先物業や石油・石炭製品の落ち込み幅が大きかった。半面、電気・ガス業や化学、食料品は上昇した。