【日経QUICKニュース(NQN)】金融情報会社のQUICKは26日夕、個人投資家向けのオンラインセミナーを開いた。エコノミスト、グローバルストラテジストで複眼経済塾・塾頭のエミン・ユルマズ氏が講師を務め、「今こそ日本株!これからの注目テーマと銘柄」と題して講演した。同氏は日本株について「40年続くブルマーケット(強気相場)に入っているのではないか」との見方を示した。
ユルマズ氏は「日本株は1950年代から90年代まで大きく上がったが、これは(米ソ)冷戦時代と重なる」と指摘した。そのうえで「米中『新冷戦』が始まった2013~14年あたりから日本株は長期の移動平均を上抜け、上昇が始まった」と指摘した。地政学リスクの高まりが供給網(サプライチェーン)の国内回帰などを促し、株高の追い風になるという。
日本の景気の落ち込みが諸外国と比べて小さい背景のひとつとして「米欧中などと異なり、新型コロナウイルス禍で完全なロックダウン(都市封鎖)をしなかったからだ」と述べた。
東京証券取引所が上場企業に対し、株価や資本コストを意識した経営を要請したことにも触れ、「(日本企業の)株主還元が増えている」と評価した。海外投資家が日本株に関心を寄せる理由について「米国企業ほど自己資本利益率(ROE)は高くないが、過去10年間で日本企業は相当、構造改革を進めてきた」として「利益率の向上や(経営の)効率化に期待しているからだ」と話した。
セミナーには個人投資家ら約800人がオンラインで参加した。