QUICK企業価値研究所アナリスト 細貝広孝(2023/08/15)
・1Qは想定内推移との見方から通期予想を維持
24/3期の連結業績に関して企業価値研究所では、1Q実績はほぼ想定の範囲内で推移したとの見方から、通期の連結業績に関しては売上高1兆9000億円(前期比2%減)、営業利益650億円(同19%増)の前回予想(23年6月)を維持する。建築工事の完工粗利益率改善などで営業増益を予想。
・中期的にも完工粗利益率の緩やかな改善を見込む
続く25/3期の連結業績に関しても同様に、売上高1兆9100億円(前期比1%増)、営業利益800億円(同23%増)、26/3期は売上高1兆9500億円(同2%増)、営業利益900億円(同13%増)の前回予想を維持。中期的にも完工粗利益率の緩やかな回復を見込む。
・1Qの営業利益は前年同期比で増加
24/3期1Qの連結業績は、売上高が前年同期比15%増の4414億円、営業利益が同79%増の59億円だった。営業利益は当研究所の通期予想に対して9%の進捗となっている。
・リスクファクター ~コスト上昇、設備投資需要減退
・アナリストの投資判断 ~主力の国内建築工事の完工粗利益率改善までは上値重い
株価は新型コロナ影響で20年3月にかけて714円まで急落。その後は900円台半ばまで戻したが、業績懸念などを背景に再度下値を切り下げ、一時700円を割り込んだ。当研究所の26/3期予想EPSから算出したPERは10.6倍程度。建設業の24/3期予想PER11.8倍程度を下回っているが、主力である国内建築工事の単体完工粗利益率が5%程度の低水準で推移している状況では、株価も上値を切り上げるような展開とはなりにくい。国内建築工事の完工粗利益率改善が進むまでは上値の重い展開が継続すると考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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