QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2023/08/24)
・1Qは欧米で需要低迷も四半期で過去最高益更新
24/3期1Qの連結営業利益は前年同期比9%増の1179億円。四半期で過去最高益を更新した。欧米で需要低迷がみられたが、売価改善の効果、中国の復調などもあり増収となり、コストダウンや為替のプラス効果もあり、原材料費や物流費、固定費の増加などを吸収した。
会社は過去最高業績の更新を見込む24/3期計画(営業利益4000億円)を継続。為替影響除く実質ベースで増収増益を見込む。期初為替想定は1ドル=126円。
・過去最高業績の更新見込む当研究所予想を継続
企業価値研究所は24/3期予想(営業利益4200億円)を据え置く。販売は出足が鈍く下振れリスクがあるが、猛暑効果もあり2Q以降復調を予想。売価改善や円安の効果等も織り込み、引き続き過去最高業績の更新を予想。会社計画は超過達成を見込む。対前期比では中国の復調や米州等での伸長を予想する。
25/3期、26/3期と過去最高業績の更新を見込む当研究所予想も据え置く。販売の下振れリスクはあるが、為替円安の効果等を勘案した。世界各地の新工場の立ち上げ等で海外空調事業の成長を見込む。会社の戦略経営計画目標(26/3期営業利益5000億円)は達成を予想。
・リスクファクター ~需要減速、為替、コスト高など
・アナリストの投資判断 ~販売回復や最高益更新への期待を背景に復調を予想
株価は今年に入り上昇し、7月3日に上場来高値3万1330円を付けたが、弱めの販売が確認された1Q決算後に下落。現状の当研究所の24/3期予想PERは約25倍。東証プライム市場の製造業や機械セクターの平均を上回るが、同社の過去5年平均を下回り、やや割安感がある。1Qに弱かった販売は猛暑効果もあり2Q以降復調するとみており、最高益更新や配当増加への期待も背景に、今後の株価は復調を辿り、再び上値を試す展開を見込む。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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