【日経QUICKニュース(NQN)】伊藤忠商事(8001)は6日、2024年3月期(今期)の連結純利益(国際会計基準)が前期比微減の8000億円になりそうだと発表した。従来予想(3%減の7800億円)から上方修正した。市場予想平均であるQUICKコンセンサスの8253億円(10月20日時点、11社)は下回った。自動車や建機関連などの機械事業が円安で想定以上に好調に推移するほか、ファミリーマート事業は販促強化で当初の想定よりも伸びる見通しだ。
同時に発表した23年4~9月期の連結決算は、収益が前年同期比3%減の6兆7740億円、純利益は9%減の6962億円だった。
併せて発行済み株式総数(自己株式を除く)の1.2%に相8001700万株、金額で750億円の自社株買いを実施することも発表した。取得期間は7日から2024年2月29日まで。
■伊藤忠の石井社長「実力で8000億円の収益ステージを確立する」
伊藤忠商事(8001)の石井敬太社長は6日に開いた2023年4~9月期の決算説明会で「為替や商品市況の変動を除いた実力値ベースで8000億円の収益ステージを確立する」と述べた。具体的には建設機械などの機械事業や、IT(情報技術)子会社の伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の収益をさらに伸ばしていくとの見方を示した。
石井社長は中国経済の動向について「中国市場が重要な位置づけにあることには変わりはないが、不動産市況の悪化で、個人の財布のひもは固く、今回は景気回復に時間がかかるかもしれない」と述べた。