日銀がマイナス金利政策の解除に動くのはいつか。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した2月の月次調査<外為>によると、60%が「4月」と回答した。9割以上が2024年内の政策変更を予想し、「年内は変更なし」は7%にとどまった。同様の質問をした23年12月調査でも「24年4~6月」との回答が最も多く、市場のコンセンサスは大きく変わっていない。
住友商事グローバルリサーチの鈴木将之氏は「春闘での企業の賃上げ動向に加え、日銀短観から販売・仕入れ価格の動向も見えてくる」として、4月がマイナス金利解除の判断に適切とみている。会合と併せて公表される「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では25年度の物価見通しが引き上げられると予想し、「2%の物価安定目標を達成する可能性が高まれば、日銀はより解除に動きやすくなる」との見方を示した。
「3月」を選んだ人も2割を占めた。国内証券のアナリストは「大企業の賃上げは進んでいるため3月の可能性は排除できない」とみる。米連邦準備理事会(FRB)は3月に利下げを見送る公算が大きく、「日銀がマイナス金利を解除しても極端な円高には振れない」とも指摘した。年初に発生した能登半島地震については、「地域経済としては非常に大きいものの、金融政策の大幅な変更につながるものではない」(鈴木氏)など影響は軽微との見方が広がっているようだ。
米欧の利下げ開始時期はともに「6月」との回答が最多だった。パウエルFRB議長は24年に3回利下げする方針を維持し、利下げの開始に慎重な見方を示している。米景気が想定を上回る底堅さを維持するなか、次回の3月会合で公表される政策金利見通し(ドットチャート)に変化があるかが焦点となりそうだ。
日米欧の政策変更を受けた6月末時点のドル、ユーロ、円の強弱関係を予想してもらったところ「円>ドル>ユーロ」と「円>ユーロ>ドル」を合わせ、円が最も強くなるとみる人が計70%にのぼった。24年に強い通貨の見通しを尋ねた12月調査の計59%を上回った。鈴木氏は「日本の金融政策の看板に掲げてきたマイナス金利が解除された場合、見え方としては大きな変化がある」と指摘。現在の円相場は1ドル=150円台に近づく場面があり「円安・ドル高が進みすぎている」との見方も示した。
中国恒大集団問題をはじめとした中国の不動産不況が世界経済に与える影響についても聞いた。「中国国内の影響にとどまる」が46%だった一方、「世界経済の減速要因となる」との回答も43%と、市場参加者の見方が分かれているようだ。
調査は5~7日に実施し、金融機関や事業会社の外為市場関係者73人が回答した。
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