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スーパー・マイクロが急落 増資懸念の見方も(米株ピックアップ)

記事公開日 2024/5/2 15:30 最終更新日 2024/5/2 16:56 米国・欧州 米株 海外株 米株ピックアップ NQNセレクト

【NQNニューヨーク=矢内純一、戸部実華】

■スーパー・マイクロが急落 事業の急成長で増資懸念との見方も
5月1日の米株式市場でサーバーなど電子機器製造のスーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)が急落し、一時は前日比18.4%安の700.00ドルを付けた。前日発表の2024年1~3月期決算で売上高が市場予想に届かなかった。事業の急成長で、資本が不足するとの懸念も台頭。今年に入って株価が大きく上昇していたこともあり、売りが膨らんだ。

1~3月期の売上高は前年同期比3倍の38億5006万ドルだった。データセンターなどに供給するサーバーの需要が人工知能(AI)ブームの恩恵を受けているものの、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(39億6000万ドル)に届かなかった。1株利益は6.65ドルと、市場予想(5.74ドル)を上回った。4~6月期の売上高見通しは51億~55億ドルと市場予想(48億6000万ドル)以上だった。

バンク・オブ・アメリカは競争激化に加え、スーパー・マイクロがシェア拡大を優先することなどから、4~6月期の売上高総利益率が1~3月期(15.6%)から悪化し、13.6%になると予想。目標株価を1280ドルから1090ドルに引き下げた。

スーパー・マイクロはサーバーを作るために、エヌビディアなどから半導体を仕入れている。事業の急速な拡大を支えるためには、十分な半導体の在庫を確保することが不可欠。決算説明会では、経営陣が資本の拡充の必要性に言及していた。JPモルガンのアナリストは、投資家にとっては増資懸念がくすぶるとの見方を示した。

スーパー・マイクロの株価は4月30日時点で前年末に比べ3倍になっていた。決算発表をきっかけに利益を確定する動きも出やすかったようだ。

■AMDが一時10%安 GPUの売上高見通しに厳しい見方相次ぐ
1日の米株式市場で半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD、チッカーAMD)が続落し、一時は前日比10.0%安の142.44ドルを付けた。前日夕に2024年1~3月期決算と併せて発表した4~6月期の売上高見通しが物足りないと受け止められた。アナリストによる目標株価の引き下げも相次ぎ、嫌気した売りが広がった。

1~3月期の売上高は前年同期比2%増の54億7300万ドルと、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(54億8000万ドル程度)並みだった。人工知能(AI)向けの需要拡大を背景にデータセンター部門が80%増え、パソコン向けを含むクライアント部門も大幅な増収だった。一方、ゲーミングと組み込み型事業がそれぞれ減収だった。4~6月期の売上高は54億~60億ドルを見込む。市場予想は57億3000万ドル程度だった。

決算を受け、バンク・オブ・アメリカはゲーミングの弱含みや組み込み型事業の回復が緩やかであることを背景に、目標株価を195ドルから185ドルに引き下げた。AI向けの市場シェアは拡大余地があるとしつつも、見通しは強気派が期待していた水準ほど引き上げられなかったとみる。AI競争が激しくなるなか、バリュエーション(投資尺度)は「割安といえない」と指摘した。

キーバンク・キャピタル・マーケッツはAMDが24年のデータセンター向け画像処理半導体(GPU)の売上高見通しを35億ドルから40億ドルに引き上げたことについて「市場は期待外れだったと受け止める」と指摘。経営陣が慎重に見積もっている可能性が高いとみるものの、目標株価を270ドルから230ドルに下げた。

サスケハナ・ファイナンシャル・グループもデータセンター向けGPUの売上高見通しを「強気派の期待に応えるには不十分だったようだ」とみる。実際には24年に50億ドルに達する余地があると分析し、目標株価は185ドルで据え置いた。シティグループは「夏場には見通しの一段の上方修正を見込み、株価の下落局面は買いだ」と指摘。ゲーミングと組み込み型事業の現状を踏まえ、目標株価を192ドルから176ドルに引き下げた。

■アマゾンが一時4.1%高 AWSの増収率拡大を好感
1日の米株式市場でアマゾン・ドット・コム(AMZN)が反発し、一時は前日比4.1%高の182.23ドルを付けた。前日発表の2024年1~3月期決算で売上高と1株利益が市場予想を上回った。利益率の高いクラウド事業が好調なことを評価する声が目立った。

1~3月期の売上高は前年同期比13%増の1433億1300万ドルと、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(1426億5000万ドル)を上回った。主力のネット通販が7%増だった。クラウドサービス「AWS」は17%増え、市場予想(15%増)を上回った。人工知能(AI)需要などで企業のIT投資意欲が強く、AWSの増収率は3四半期連続で拡大した。

売上高営業利益率は10.7%と前年同期(3.7%)から大きく改善し、過去最高となった。1株利益は0.98ドルと市場予想(0.84ドル)以上だった。

エバコアISIは営業利益率が過去最高になったことに加え、AWSの増収率が市場予想を上回ったことをプラス材料と指摘。市場の高い期待を上回ったことで、株価の一段高を見込むという。アマゾンの目標株価を220ドルから225ドルに引き上げた。

シティグループはAWSだけでなく、配送効率の改善などによるネット通販事業の収益向上に伴い、利益率の上昇が続く可能性があるとして、目標株価を235ドルから245ドルに上方修正した。DAダビッドソンは多様なAI関連サービスを提供し、主要な大規模言語モデルを開発する企業との提携により、AWSが「ほかのハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)と十分に競争できることを示した」と指摘した。

著者名

NQNニューヨーク 戸部 実華

著者名

日経QUICKニュース(NQN) 矢内 純一


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