【日経QUICKニュース(NQN)】5月16日の東京株式市場で、日清製粉グループ本社(2002、プライム)が急落している。前場に前日比236円(11.55%)安の1807円まで下落し、年初来安値を更新した。15日、2025年3月期(今期)の連結純利益が4%増の330億円になる見通しを発表した。ただ、市場予想の平均であるQUICKコンセンサスの355億円(4月18日時点、5社)には届かず、失望売りがかさんでいる。
前期は値上げによって損益が大幅に改善し、最終黒字に転換したが、今期の純利益は緩やかな伸びにとどまる。政府による輸入小麦の売り渡し価格の引き下げや海外事業での小麦相場下落が響く。市場では「コスト高要因となる円安に一服感がみられない一方で、消費者の間では(買い控えなど)『値上げ疲れ』も出てきている」(国内証券ストラテジスト)といい、収益改善のスピードが物足りないと受け止められているようだ。