日本産コメが山積み。数年前から米国の日系スーパーで日本産コメが売られ、今年は目立って増えた。いつもセール対象。日本円換算で5キロ2500~3000円程度(カリフォルニア産6.8キロとほぼ同価格)に割引され販売されている。日本の「パックご飯」も急増した。日本貿易振興機構(ジェトロ)は、日本政府が農林水産品・食品の輸出拡大を重点に目指す対象国の1つに米国を定めたとレポートで説明。円安や米国の好景気、米国産コメの価格高騰などで米国向けが大幅に伸びたと記した。農林水産省の統計によると、今年1~7月の海外へのコメ輸出は2万4469トンで、前年同期比23%増加した。日本国内のコメ不足と価格高騰が幅広く報じられているが、ロサンゼルスでは大量供給、価格は下落傾向にある。
ちょっと違うなあ。と思うことがもう1つ。電気自動車(EV)の低迷だ。ニューヨーク・タイムズ紙は、自動車メーカー数社が相次いで新型EVの開発計画を後退させたと報じた。米国内のEV販売台数は2023年に前年比50%超伸びたが、今年前半は約10%増にとどまっているとしている。EVの世界は確実に訪れると予想されるものの、まだ先になると解説した。ロサンゼルス・タイムズ紙もカリフォルニア州のEV販売の減速を報じているが、サンタモニカを含むロサンゼルス西部では、テスラやリヴィアン、現代と起亜、BMWやメルセデスなどのEVが目に見えて急増。テスラのサイバートラックは特に増えた。約30分の散歩で数台見かけることもある。統計が示す通り全体はスロー、ロサンゼルスをはじめ一部都市ではEV社会が訪れつつある。
テスラ車を2年近く所有してEV普及に最も重要なのは充電施設だと思った。自宅近くに20台以上同時に急速充電できるスーパーチャージャー拠点が数カ所あり、集合住宅の地下駐車場に2世帯に1口の割合でテスラの充電器が新設された。全米ベースではまだまだ。バイデン政権は8月末、全米9200カ所以上にEV充電ネットワークを拡張する新計画を発表したものの、米国は広く十分とはとても思えない。米議会専門紙ザ・ヒルは、多くの消費者が長時間ドライブ中に充電できないと恐れていて、EV普及の重大な障害になっていると伝えた。
ロサンゼルスで自動運転タクシーも増えつつある。米グーグルの親会社アルファベット傘下で自動運転技術を開発するウェイモのベータプログラムに半年待って娘が登録できた。「運転手がいないウーバー」。幼い子供が近くにいると減速するなど完成度は高く、気分は未来。料金は運転手付きタクシーより安い。CNBCは、ウェイモの有料サービスの利用が週あたり10万回に到達、5月から倍増したと報じた。7月に50億ドル(約7100億円)を追加投資すると発表、サービス提供地域を拡大するとしている。テスラは10月10日に「ロボタクシーデー」をロサンゼルス市内にあるワーナー・ブラザーズの映画スタジオで開催予定。注目度は非常に高く、普及を後押しする可能性がありそうだ。アマゾンは「Zoox」の試験を6月に開始した。
「セレブになった気分」。娘とウェイモを利用した際、歩行者が注目、何度も写真を撮られた。いまだ目新しいが、確実に来る未来と実感した。4年後のLA夏季五輪。市内の道路はEVであふれ、ロボタクシーが観光客を出迎えるかもしれない。
(このコラムは原則、毎週1回配信します)
福井県出身、慶應義塾大学卒。1985年テレビ東京入社、報道局経済部を経てブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長を歴任。ソニーを経て、現在は米国ロサンゼルスを拠点に海外情報を発信する。