米大統領選のテレビ討論会が日本時間の9月11日、東部ペンシルべニア州で開催された。大統領選挙の結果に影響を与えると言われ、市場関係者からの関心も高かった。
「トランプトレードが巻き戻されている」の声も
討論会後の世論調査では「ハリス副大統領のパフォーマンスが良かった」の回答が63%となり、市場では防衛関連銘柄などでトランプ劣勢を意識した取引が見られた。
重工関連株が軒並み下げている。三菱重工(7011)は午後に前日比77円(4.53%)安の1619円50銭まで売られた。米大統領選候補者のテレビ討論会後の米CNNの世論調査で、ハリス副大統領のパフォーマンスが良かったとの回答が63%となり、共和党候補のトランプ前大統領(37%)を大きく上回った。同盟国に軍事費の負担増を求めるトランプ氏の劣勢が意識され、防衛関連銘柄には売りが出ている。
テレビ討論会を受けて円高が進んだ
テレビ討論会を受けて東京外国為替市場の円相場では円高・ドル安が進行し、円は一時1ドル140円台まで値上がりした。
日本時間11日午前、ペンシルベニア州フィラデルフィアで民主党候補のハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領がテレビ討論会に臨んだ。米CNNテレビによる討論会後の世論調査では「ハリス氏のパフォーマンスが良かった」との見方が63%で優勢となった。これまでトランプ氏の勝利による財政拡張を見込んでいた投資家の間でドル買いの持ち高を調整する動きが広がると、短期スタンスの投資家が円買いに便乗し、円相場を140円台まで押し上げた。
一方、選挙結果が見通せるようになるまではリスクを取りにくいとの声も上がった。
今回の討論会だけでハリス氏に軍配が上がるわけではない。11月5日投開票の選挙結果を見極めるにはまだ材料が乏しく、トランプ氏が体勢を立て直す可能性も十分にある。それでもドルの買い手は持ち高の維持に腰が引けていた。選挙の「勝者」を織り込めるようになるまでは積極的にリスクはとれない。「(対円を中心に)ドルに下押し圧力がかかりやすい」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の龍翔太為替ストラテジスト)状況だ。