男子プロバスケットボールのB.LEAGUE(Bリーグ)の2024~25年シーズンが3日、開幕した。今季はBリーグが発足して9季目で、初めてりそなグループがタイトルパートナーに就任。Bリーグが掲げる「感動立国」に共鳴したという、りそなホールディングス(HD、8308)の松井邦夫執行役は、今回の協賛を通じて地域・社会貢献の活動の「新たなステージ」を見据える。
――Bリーグタイトルパートナー就任の背景や狙いを教えてください。
「りそなグループは2003年の公的資金の注入から23年でちょうど20年の節目を迎え、再生から新たな挑戦に向けてギアチェンジする局面にありました。そんな中、『金融+で、未来をプラスに。』というパーパス(存在意義)を体現するもの、りそなグループとしての一体感を醸成して新しいステージに力強く踏み出す姿を社内外に示すための起爆剤になるものを探していました」
「Bリーグは変革と挑戦を続けて年々盛り上がりを見せています。各クラブが地域に根差し、地域貢献にも取り組んでいます。りそなグループのこれまでの歩みや目指す姿に親和性があると感じ、今回タイトルパートナーの就任に至りました」
タイトルパートナー就任への思いを熱弁する松井氏
――プロのバスケットリーグと金融機関で共通するものはありますか。
「Bリーグにはココロたぎる瞬間を提供して、日本の明るい未来に貢献する『感動立国』というビジョンがあります。りそなグループのパーパスにも金融の枠組みにとらわれずにこれまでの常識や価値観を超えて、地域の活性化、ひいては日本を元気にしたいとの思いが込められており、共鳴する部分がありました」
「多くの都道府県にBリーグの所属クラブがあり、それぞれの本拠地で地域に根ざした活動が盛んです。幅広い地域に支店を構え、お客さまや地域社会から最も支持される『リテールNo.1』を目指すりそなグループに似ているところもあります」
開幕試合の様子
――株主や従業員などのステークホルダー(利害関係者)への影響をどうみていますか。
「Bリーグの成長とともに地域の活性化・発展に貢献できれば、本業であるファイナンスなどの銀行業務にもプラスに働くと考えています。Bリーグは若年層や女性のファンが多いとされており、新たな顧客層との接点づくりや企業認知度の向上につながることも期待しています」
「従業員にはクラブの応援を通じて、非日常感や人の心を動かすものに触れる体験をしてほしいと考えています。こうした体験は現在実施している、1人ひとりが働く価値観を深掘りする『マイパーパスプロジェクト』にも生きるでしょう。同じ方向を向いて誇りを持って働く動機となり、社員の結束につながると信じています」
――就任を発表して3カ月が経ちました。これまでの活動や反響、今後の展望を教えてください。
「今夏の小学生向け金融経済教育『りそなグループキッズマネーアカデミー』では、Bリーグのアルバルク東京の選手が参加した回もありました。お金は夢をかなえる手段と伝えるなかで、夢をもって取り組むプロのスポーツ選手とふれあう機会を提供できたことは子どもたちにとっても良い機会となったと思います」
「従業員からはタイトルパートナーの就任について、うれしいや誇らしいとの声が届いています。支店に来店したお客さまとの会話でも話題になるようであれば喜ばしいことです。タイトルパートナーの就任にあたって掲げたシンボルワード『JOIN THE HOPE ワクワクできなきゃ、未来じゃない。』のように、ファンやパートナー企業、自治体など様々なステークホルダーの皆さんと一緒に、夢や希望のある未来に向かって進んでいけるような取り組みを続けていきます」
(QUICK Money World 聞き手は小松めぐみ)