【日経QUICKニュース(NQN)】ホンダ(7267)の青山真二副社長は6日開いた2024年4~9月期の決算説明会で、北米の電気自動車(EV)のインセンティブ(販売奨励金)について「当初の想定に対して1台当たりおよそ7000ドル、予定よりも使っている」と説明した。販売実績と計画については「上期の実績としては2万台弱、下期に向けては6万台強。およそ8万台程度の台数を織り込んでいる」と明らかにした。
ホンダは同日、25年3月期(今期)の税引き前利益を前期比13%減の1兆4350億円と、従来予想(10%減の1兆4800億円)から引き下げた。インセンティブの増加などが前回見通しと比べて税引き前利益を995億円押し下げる要因になる。
■中国の四輪販売「想定より減少のスピード速い」
ホンダ(7267)の青山真二副社長は6日開いた2024年4~9月期の決算説明会で、中国の四輪販売について「想定以上に減少のスピードが速いことは認めざるを得ない」と述べた。同国では新エネルギー車の販売が大きく増加するなか「我々はそこに強い商品をいま現在持っていない」との認識を示した。
25年3月期(今期)の四輪車の世界販売は前期比8%減の380万台と、従来計画(5%減の390万台)から10万台引き下げた。今期は8月に続き2度目の下方修正となる。引き下げられた10万台のうち中国が7万台を占める。青山副社長は同国で人員削減など固定費の削減を進めているため「マイナス方向の加速度は遅くなっている」と説明した。
■米大統領「誰がなってもEV化進む」 トランプ氏のメキシコ関税には警戒
ホンダ(7267)の青山真二副社長は6日開いた2024年4~9月期の決算説明会で、開票が進む米大統領選について「どちらの方がなっても長期的には四輪のバッテリー電気自動車(EV)化が進むだろう」との考えを述べた。
共和党のトランプ前大統領はメキシコが国境問題に本腰を入れて対応するまで、同国から米国への輸入品の関税率を段階的に引き上げていく考えを示している。ホンダはメキシコで四輪車を年間で20万台程度生産する。青山副社長は関税が引き上げられれば「このうち8割程度が米国に輸出、16万台相当が関税の対象になる可能性があり、非常に大きな影響だ」との認識を示した。
一方で、青山副社長は関税の引き上げが「すぐに実行されるとは考えていない。ある一定の協議がなされた上で(実行される)だろう」との見通しを示した。自動車各社がメキシコでの生産を即座に取りやめることは難しいとしたうえで「さまざまなロビー活動を含めて対応していきたい」と述べた。