【日経QUICKニュース(NQN)】不動産株が安い。三井不動産(8801)は後場一段安となり、前日比39円50銭(3.05%)安の1255円50銭まで下落した。20日昼、石破茂首相と日銀の植田和男総裁が会談したことが明らかになった。内容の一部が伝わると、日銀の追加利上げが改めて意識されて債券先物が下げに転じ、円相場が強含む場面があった。国内金利の先高観が広がるなか、不動産株には物件取得など借り入れコストの上昇や住宅ローン金利上昇による買い控えを警戒した売りが出ている。住友不(8830)も安い。
植田氏は会談後、「経済金融動向について一般的な意見交換をした」と語ったうえで、長期金利については「話はしていない」とした。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネージャーは「長期金利に関する話を直接はしなくても、日銀が進める利上げについて意見交換した可能性はある」と指摘。実質賃金のプラス転換や2024年10~12月期の国内総生産(GDP)の上振れなど「追加利上げの環境は整いつつあるなかでの会談とあって、思惑が高まりやすかった」とみていた。