米国の長短金利スプレッドが、2008年のリーマン・ショック以降の最低レベルまで縮小している。足元のスプレッド縮小は、長期金利の低下が短期金利の低下を上回るペースで進んだことによって起こる「ブルフラット」の動きであり、これは一般的に景気減速局面に起る現象だ。また、長短金利差が逆転する「逆イールド」は、景気後退の前触れとも言われている。
米セントルイス連銀のブラード総裁は5月29日の都内での講演で、来年中には長短金利が逆転する可能性を指摘。「FRBは長短金利の逆転につながるような政策に積極的になる必要はない」と述べていた。マーケットは米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースの鈍化を織り込み始めたのかもしれない。(池谷信久)
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