ブラジルレアルが対ドルで急落している。5月下旬からトラック運転手による大規模なストライキが起きたことで物流網がまひし、ブラジル経済に悪影響が出ていることが警戒された。10月の大統領選における極右勢力の台頭も意識されているもよう。ブラジル中銀は「米金利上昇が理由である」と流出懸念についてコメントし、昨日は通貨スワップ入札で為替介入を実施した。 三井住友銀行チーフストラテジストの宇野大介氏は「アルゼンチン、トルコに続いて、今度の標的はブラジルレアルになっている」と警戒感を強める。
7日の米国市場では、ブラジル株に連動するiシェアーズMSCIブラジルETFが前日比5.13%安で大幅に3日続落し、2016年12月22日以来、1年半ぶりの安値圏に沈んだ。ブラジルの代表的株価指数であるボベスパ指数が2.97%安で大幅に3日続落したうえ、ブラジル中銀がドル高レアル安を止めようと為替介入を行ったもののレアル安に歯止めが掛かっていないことから、ドル高による為替差損分もあってETFの下げがきつくなった。(丹下智博 、片平正ニ)
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