19日に発表されたダウ工業株30種平均の構成銘柄の入れ替えを受けて、翌20日の米株式市場でドラッグストア大手のウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が指数採用に伴う買い需要の期待から5.24%高の大幅高となった。一方で除外となるゼネラル・エレクトリック(GE)は6日連続の下落となるなど、明暗が分かれた。銘柄入れ替えは26日に実施される予定だ。
ダウ平均はいわゆる単純平均株価のため、値がさ株のインパクトが大きい。株価が300ドル台で最も高いボーイングが寄与度上位に来ることが多く、100ドル超の値がさ株17銘柄に左右される傾向にある。今回、採用されるウォルグリーンズの20日終値は68ドルと現在のダウ構成銘柄(GE含む)の中では9番目に低い水準となる。正式に採用されたとしても、指数インパクトは限られそうだ。
今月26日から銘柄入替を反映して指数が算出されるが、ウォルグリーンズの株価が低いため除数(0.145233969)に大きな変更はないとみられる。一方で2013年9月にダウ平均から除外された非鉄大手アルコアがその後に株価が上昇した経緯もあり、GEの株価が復活する転機となるのかどうかも関心が高い。
ダウ平均の銘柄入替があるたびに、成長著しい米検索大手グーグルの親会社であるアルファベット、アマゾン・ドットコム、フェイスブックの採用も取りざたされる。米国企業の時価総額トップ10でダウ平均に採用されているのはアップルとマイクロソフト、JPモルガン・チェース、エクソン・モービル、ジョンソン&ジョンソンの5銘柄に過ぎない。成長性や時価総額ではアマゾンやアルファベットが米国を代表する企業と言えそうだが、株価が1000ドルを超える状況では単純平均のダウに与える影響が大きすぎる。アップルは2014年6月に1対7の株式分割を行った後、2015年3月19日にダウ平均に採用された経緯がある。今後のダウの入替を占う上では大手ハイテク株で株式分割が行われるかどうかもポイントとなる。(岩切清司、片平正ニ)
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