シティグループが算出するエコノミック・サプライズ指数は7日、マイナス3.60と8月上旬以来、1カ月ぶりの水準に改善した。
この日発表された8月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数は前月比20万1000人増え、前月の14万7000人から加速。市場予想の19万人も上回った。平均時給は前年同月比2.9%増え、2009年6月以来、9年2カ月ぶりの高い伸び率となった。これを受け、米10年金利は一時は2.95%と約1カ月ぶりの高水準を付けた。
強い雇用統計を受けて、CMEグループのFedウォッチツールで9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での25bpの利上げ織り込み度は99.8%となり、前日(99.6%)からやや上昇した。さらに、実現すれば今年4回目となる12月の利上げの確率も79%まで上昇した。
13日には8月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。7月のCPIはエネルギーと食品を除いたコア指数が2.4%上昇し、08年9月以来9年10カ月ぶりの伸びとなっていた。8月も物価上昇が加速すれば、金利上昇圧力は一段と強まりそうだ。(池谷信久)
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