11日の米債券市場で10年物国債利回りは、一時2.98%と8月上旬以来の水準に上昇した。米株式相場の上昇や国債の入札が3年債(11日)、10年債(12日)、30年債(13日)と続くことが背景にある。良好な経済指標の発表も金利上昇を後押しした。
この日発表された7月の雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人数は693万9000件となり、2000年12月の統計開始以来で最高となった。雇用環境は良好で7日に発表された8月の雇用統計では、平均時給の伸びが2.9%と2009年6月以来の高水準を付け、インフレへ懸念がくすぶり始めている。13日(日本時間13日21時30分)に発表される8月の米消費者物価指数(CPI)が強い結果となれば、10年債利回りは3%台を回復する可能性がある。(池谷信久)
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