前週末の好調な米雇用統計を受けて、米金利の上昇が加速している。2日のニューヨーク債券市場で長期金利の指標である表面利率2.875%の10年物国債利回りは前日比0.08%高い(価格は安い)3.21%で取引を終えた。「3.2%」を上抜け、10月初旬の株価下落のきっかけとなった水準へと接近した。
2年債利回りは2.9%近辺で上げ渋っており、12月利上げと来年2回の利上げを織り込むにとどまっており、追加的な利上げの織り込みには慎重だ。
他方、30年債利回りが10月初旬の水準から上放れてしまったことを警戒する声が上がっている。今週7日には30年債入札が予定されており、需給懸念から一段の上昇の可能性もありそうだ。米中間選挙の結果次第ではさらなる財政拡張の可能性も意識され、財政悪化に伴う財政プレミアムの拡大、「悪い金利上昇」がテーマとなるリスクが高まっているように見える。(丹下智博)
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