6日に投開票が行われた米中間選挙は、上院で共和党、下院で民主党が過半数を取る「ねじれ状態」となった。米10年債利回りは3.25%に迫る場面もあったが、その後は3.2%台前半を中心に推移。CMEグループが提供するFedウォッチツールで12月のFOMCでの利上げ確率は75.0%となり、前日(71.7%)から上昇した。
米長期金利が高止まりしている背景の一つとして、債券需給の悪化が考えられる。
2017年秋以降、FRBによる保有国債の圧縮(左グラフ、青網掛け)に合わせる形で米長期金利(同、チャート赤)は上昇している。トランプ政権は財政拡張的な政策を行っており財政赤字は拡大しているが、米国債を保有する海外投資家で最大の中国(右グラフ、チャート緑)、2位の日本(同、チャート青)とも、投資額を減らしている。需給面から金利上昇圧力がかかりやすい状況は続きそうだ。(池谷信久)
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