24日の原油先物相場は大幅に続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近(2019年2月)物は前週末比3.06ドル安の1バレル42.53ドルで取引を終えた。一時42.36ドルと17年6月下旬以来、約1年半ぶりの安値を付けた。10月初旬の高値からは4割以上下落したことになる。
米商品先物取引委員会(CFTC)が21日に発表した18日時点の建玉報告による原油先物の投機筋の買越幅は12週ぶりに拡大したものの、縮小傾向が続いている。買越幅は31万枚弱残っており、投機筋のポジション整理が一巡するまでは、原油安の流れが続く可能性もある。
■CFTC原油先物(投機筋・ネット)とWTIの推移
原油安に引きずられる形で、米国の債券市場のインフレ見通しを示す10年物の国債と物価連動国債の利回り差から算出する「ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)」は2017年8月下旬以来、1年2カ月ぶりの水準まで低下している。インフレ期待は急低下しており、長期金利の上昇を抑制している。10年金利は一時2.73%と4月上旬以来ほぼ8カ月半ぶりの低水準を付けた。(池谷信久)
※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。